
ゴッホの世界を五感で楽しむ新感覚のアート体験。さらに南極に眠る地球と宇宙の不思議に迫ります!
作品を浴びるデジタルアート
まず訪れたのは、全世界で300万人を動員したパリ発のデジタルアートです。今年6月、「レーヴ・デ・リュミエール」の名で東京ドリームパークに日本初上陸しました。
住田紗里アナウンサー
「黄色い世界が広がっていますね」
「レーヴ・デ・リュミエール」図録執筆・監修
山内宏泰さん
「ゴッホの作品165点を使って、40分にわたって展開されるデジタルアート作品になっています」
まるでゴッホの作品の中に入り込んだような体験ができ、代表作「ひまわり」も空間いっぱいに広がります。
住田アナ
「ひまわりが降り注いできていますね。何個も何個も分解されて降ってくる感じというのは、本当に新感覚ですね」
山内さん
「このような傘の貸し出しもしています」
住田アナ
「すごくきれい」
山内さん
「ここのテーマとして、アートを浴びるというものがあります」
住田アナ
「新しいですね」
今回は、知っていればさらに楽しめるポイントとなる作品を、山内さんに教えてもらいます。
山内さん
「ゴッホの人生は、主に住んでいた地域によって大きく分けると、5つの時代に分かれます。その年代順に映像作品も展開されているので、一通り見るとゴッホの生涯が分かる、そういう仕組みになっています」
「ひまわり」に込めた希望
黄色をメインにした色鮮やかな画風のイメージがあるゴッホですが、生まれ育ったオランダ時代には、暗いトーンの作品を描いていました。
住田アナ
「なんだかこう、トーンが暗いというか」
山内さん
「ゴッホは初期のころ農民や労働者の貧しい生活をリアルに描こうとしていました。私生活でも転職を繰り返したりとか、失恋を重ねたり、人生がなかなかうまくいかなかった時代でした」
住田アナ
「ライトが上に光っているじゃないですか」
山内さん
「人生において、希望の光が欲しかった、そういう思いでかなり意図的に光を描き加えたんだと思われますね」
暗い作風に変化が訪れたのは、パリ時代です。そのきっかけとなったのが、日本の浮世絵でした。
住田アナ
「日本の浮世絵ですか?」
山内さん
「実は、ゴッホが描いた浮世絵というのがあるんです。右側がゴッホの模写の絵です。左側が元の絵ですね。浮世絵が好きすぎて、模写をたくさんしているんですね。当時、ヨーロッパで非常に浮世絵が流行っていましたから、その流行りにのったていうこともありますし、この色使いというのは相当に衝撃的だったはずなんですね。ゴッホの色彩が花開いていく時代だったといいます」
色彩が花開いた後、南フランスのアルル時代に描いたのが、代表作「ひまわり」です。尊敬する先輩画家、ゴーギャンとの共同生活に向けた、もてなしの絵としても知られています。
山内さん
「ゴッホはおそらく、黄色の中に希望の様なものを見出していたのでしょう」
住田アナ
「ゴッホの心を照らしてくれたみたいな感じなんですかね」
感情を映像で表現
しかし、希望に満ちた時間も長くは続きませんでした。芸術観の違いから衝突が増え、ゴッホが自らの耳を切り落としたのをきっかけに、共同生活は破綻します。追い詰められたゴッホが精神病棟に入院したのがサン・レミ時代です。ここで描かれたのが、「ひまわり」と並ぶ代表作「星月夜」でした。
山内さん
「うねる様な長いタッチ。これが生命の様に感じられますよね」
住田アナ
「デジタルになるとこう動きもつくじゃないですか。余計に、どうしたらいいのか分からないっていう気持ちのようなものが感じられますね」
山内さん
「そのゴッホの感情だけをピックアップして見せてくれるような、素晴らしい映像作品になっていると思います」
そして、ゴッホ最終の地、オーヴェール時代に描いたのが「カラスのいる麦畑」です。
山内さん
「『カラスのいる麦畑』ゴッホの絶筆といわれている作品です。精神状態はかなり不安定だったので、絵にもかなり反映されているんじゃないかと」
住田アナ
「かなり荒いというか、なんかこの鮮やかな色使いと、そのゴッホの精神状態というもののギャップが印象的ですね」
山内さん
「最後の絶筆に至るまで、光を求め続けていた画家だった、ともいえると思いますね」
住田アナ
「今回の展覧会、解説が全くないじゃないですか」
山内さん
「そうですね」
住田アナ
「ですので、自分の感性でゴッホの作品を見られるものなんだなという感じがしました」
34万年前の氷
続いては、いまだに多くの謎が眠る南極です。1956年の日本の南極観測開始から今年で70周年になるのを記念し、日本科学未来館では「大南極展」が開催されています。(2026年9月27日(日)まで)
最初に紹介されたのは南極の氷です。水ではなく、雪が押し固められてできるため、一般的な氷よりも気泡が多いのが特徴。展示されている氷には、数千年~数万年前の空気が閉じこめられているそうです。耳を澄ますと、気泡がはじける音を聞くことができます。
住田アナ
「最初は南極の氷です!分かりますかね?パチパチっていっているんです」
さらに、会場には貴重な氷の実物があります。案内してくれたのは、国立極地研究所の熊谷さんです。
国立極地研究所 広報室
熊谷宏靖さん
「約2500メートルの深さから掘り出した、深層アイスコアの展示です。約34万年前のものなんです。」
住田アナ
「万年前ですか!?マンモスもいたかもしれないくらいの時のものですよね?すごい!」
熊谷さん
「一回に掘れるのは約4メートルくらいなんですよね。掘っては上げ、掘っては上げ…数年かかって掘ったということですね」
掘り出した氷から水の成分や含まれている空気を分析することで、過去の気温や二酸化炭素の濃度など、地球環境の変化を調べているそうです。
熊谷さん
「まさに地球の“タイムカプセル”ということがいえると思います」
宇宙からの石
南極観測で分かるのは、地球のことだけではありません。会場には多くの隕石(いんせき)も並んでいます。
住田アナ
「こちらは石がたくさん並んでいますね?」
熊谷さん
「ただの石に見えるかもしれませんが、隕石なんですね」
住田アナ
「隕石なんですか、これ!」
熊谷さん
「実は地球上で見つかっている隕石の約60%が、南極で実際に見つかっているんですね」
南極の氷の上に落ちた隕石は、埋もれたまま氷とともに海の方へ滑り落ちていき、途中で山脈などに止められます。その後、風などで表面の氷がなくなると、埋もれていた隕石が姿を現します。観測隊がこの仕組みを解明し、条件が重なる場所を調査しているため、隕石が見つかりやすいそうです。
熊谷さん
「たとえば月の石とか火星の石。今まで1万7400個くらい見つけておりまして、実は南極は“宇宙に開かれた窓”」
ペンギン赤ちゃんが変化
南極観測で欠かせないのが、生き物たちの調査です。会場では、アザラシやペンギンなどの剥製(はくせい)も展示されています。
住田アナ
「下から見上げると結構迫力ありますね!」
熊谷さん
「こちらはアデリーペンギンのヒナですね。生まれてから数週間くらい経った」
住田アナ
「赤ちゃんの時ってこんなにフサフサしているんですね!」
熊谷さん
「このモコモコがはえ変わってきて、大人になってくる。大人になっても最初のころは首の所が白いんですけど、さらに大人になってくるとそこが黒くなってくる。昭和基地の周辺で最も多く生息しているペンギンになりますので、このアデリーペンギンの個体数の調査を約60年から70年にわたって続けてきています」
会場では、実際に個体数の観測を体験できます。生態系を守るため、人の目で数えるという、とても原始的な方法です。制限時間は15秒で、2人の回答はいずれも23羽でしたが、正解には1羽足りませんでした。
住田アナ
「わけわかんなくなりそうですね、実際にあんなにいたら」
熊谷さん
「本物は動きますから、実際観測隊は、3人以上で3回以上測るようにして、その平均をとるようにしています」
住田アナ
「あんなに固まってくれていても、一羽足りませんでした!」
南極飯 料理人は2人
南極には、こうした調査をする観測隊はもちろん、それを陰で支える人たちもいます。観測隊には毎年2人の調理担当がいて、約30人分の食事を作りながら、食材を使い切る工夫をしているといいます。
住田アナ
「南極メシ!結構種類豊富ですね?」
熊谷さん
「観測隊には、毎年2人調理担当がいますので、2名でだいたい30人分ですね。食材を使い切るような工夫をすごくされていますね」
(2026年8月13日放送分より)
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