
今、空前のブームを巻き起こしているのが究極のフィットネスレース「HYROX(ハイロックス)」。それを生きがいと語る74歳のパワフルな女性を追いました。
【画像】パワーを必要とする8種目の筋力トレーニング 武隈アナウンサーが体験
過酷なフィットネスレース
いま、究極のフィットネスレース「HYROX」が空前のブームとなっています。
8月8日、千葉県幕張で行われていたのは、パワーを必要とする8種目の筋力トレーニングの間に、計8キロのランが組み込まれたフィットネスレースです。その過酷さに、ゴール後には倒れ込む人が続出しました。
ハイロックスは、2017年にドイツで誕生し、いまでは世界30を超える国と地域で開催され、競技人口も170万人以上に広がっています。日本でも去年8月に初めて大会が行われました。
HYROX APAC Operations Manager, Japan
S・コルベットさん
「約1年前の横浜のレースは3800人が参加して、今回の千葉大会は即時完売して、1万2200人が参加しています」
時間制限はなく、完走率は98%以上。16歳以上であれば、誰でも出場できます。
障がいのある選手も、距離や重量などを調整して参加できます。25歳の荒木琉河さんは今回が初出場でした。
男子アダプティブ部門 荒木琉河さん
「心がけっこう折れていたんですけど、半分泣きながらやっていました。みんなが応援してくれたので、頑張ろう、頑張ろう、自分に負けんなって気持ちで、最後までゴールできました」
“疑似アスリート体験“
この近距離で応援をもらえることも、ハイロックスの魅力の一つです。中心にいたのは、LDHのダンス&ボーカルグループ、GENERATIONSの中務裕太さん(33)です。
GENERATIONS
中務裕太さん
「人生でライブよりきついことって経験したことなかったんですけど、これでしたね。ライブよりきついの。ハードル高いみたいな感じで思われがちですけど、親子で出ている方とかいて。本当に思い出作りとして、みんなで参加できる疑似アスリート体験みたいなのができるっていうのは、ハイロックスの魅力かなと思います」
さらに、パリ五輪のレスリングで銅メダルを獲得した尾崎野乃香さん(23)も出場。総合格闘家の渡辺華奈さん(37)と組み、女子ダブルスプロに挑みました。ダブルスでは、定められた課題を2人で交互にこなし、助け合うことができます。
総合格闘家 渡辺さん
「一人だったら頑張れなかったんですけど、(尾崎)野乃香が一緒にいてくれたからやり切れました」
パリ五輪レスリング銅 尾崎さん
「メンタルがきつかったんですけど、もう(渡辺)華奈さんがいたからできた。感謝しかないです」
8種目と8kmのラン
大会に向け、武隈光希アナウンサーがハイロックスを体験。教えていただいたのは、ハイロックスコーチの高橋凛さんです。
まずは、スキーエルゴ(1000メートル)という種目に挑戦します。スキーを漕ぐような動作で、腕だけでなく下半身や体幹、背中の力も使います。
続くスレッドプッシュ(50メートル)では、男性が152キロの重さを50メートル押します。
今度は引き・スレッドプル(50メートル)では、103キロを50メートル引きます。
さらに、バーピーブロードジャンプ80メートル、ローイング1000メートル、24キロの重りを2つ持って200メートル運ぶファーマーズキャリーなど、過酷な種目が続きます。
最後は、およそ3メートルの高さにある的に、6キロのボールをスクワットしながら当てます。武隈アナウンサーも終わった後には「あした起きられません」と疲労困憊でした。
「最後まで自分の足で」
そんな過酷な大会にシングル最年長、74歳で参加したのが早乙女まりえさんです。
シングル最年長
早乙女まりえさん
「『私はこれできない』『走るのできない』できないって言うと本当にできない。自分に『できない』っていうことは言ってはいけない。やってみないと分からない」
早乙女さんは、98歳の母親の介護を続けながら、トレーニングをしています。
早乙女さん
「フリーウェイトを使い始めたのは、たしか50代から。きょうだいがいない、子どももいない。母が亡くなれば、私は一人になるから。一人で自分の面倒を見なきゃいけないから、体力は必要。最後まで自分の足で」
週に数回のトレーニングは、早乙女さんにとって貴重な時間です。
早乙女さん
「私の生活は、98歳の母で全部回っている。朝は彼女が起きる時間までほとんどいなくちゃいけない。お昼ご飯、夕飯、その間の時間帯で自分が動かなくてはいけない。トレーニングやっている間は、母のこと一切考えない。ただし、時間になると『あ、夕飯!』」
早乙女さんは、母親がいる限り、海外で趣味のダイビングをすることもできないとして「HYROXが私の生きがい」と話します。
今年1月の大阪大会では、初挑戦で年齢別2位に入りました。この時におよそ4時間かかったタイムを、大幅に更新することが目標です。大会当日の午前7時、仲間たちと会場に入りました。
早乙女さん
「前回はすごく遅かったので、走れなくて遅かったので、2時間半くらいを目標に走ります」
最年長74歳 限界に挑戦
女子シングルの部が始まると、序盤は快調に進み、3種目とランを1時間を切るタイムで通過しました。しかし、4種目目のバーピーブロードジャンプで右足をつり、失速します。それでも痛みに耐えて走り続け、応援にはダンスで応えました。
7種目目、サンドバッグを担いでのランジでは、今度は左足もつってしまい、種目後にはメディカルスタッフの手当を受けます。制限時間がないため、歩いてでも次の種目へ向かいました。
最後は、4キロのボールを100回当てる種目です。体が限界に近付くなかでもファンサービスを欠かさず、ダンスで観客にアピール。
そして、30分を超えたころ、ラスト1回を終え、前回の記録を15分以上短縮してゴールした早乙女さん。74歳でタフなレースを完走しました。
早乙女さん
「自分の年を考えなさいって言われるけど、もう少し速く走りたい。来年4月の名古屋までには絶対に2時間台。強いランナーになりたい」
ハイロックスは来年1月に大阪、4月に名古屋で開催される予定です。さらなる盛り上がりに注目が集まります。
(2026年8月18日放送分より)
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