
来月末、総選挙が行われるイスラエル。ネタニヤフ首相に逆風が吹いているようです。地元紙は、ネタニヤフ首相が2023年のハマスの襲撃を、10日前にUAEから警告されていたと報じました。
【画像】「ハマス襲撃“事前警告”受けた」地元紙が報道 ネタニヤフ氏は否定も総選挙劣勢か
地元紙が報道 ネタニヤフ氏は否定

2023年10月7日。イスラエル国内に侵入し、奇襲攻撃をしかけたハマス。1200人以上を殺害し、250人以上を拉致するという、近代稀にみる残虐なテロ行為でした。

イスラエル ネタニヤフ首相
「イスラエル国民よ、我々は戦争状態にあります。敵は経験したことがない代償を支払うことになるでしょう」

ハマス殲滅を旗印に始まった戦争。去年、停戦合意はしたものの、現在も空爆が続き、8日時点で死者7万3000人を数える泥沼化に至っています。
ハマス襲撃以来、初めてとなる来月の総選挙では、この3年間におけるネタニヤフ政権の対応が大きな争点です。そんな中、現地メディアが報じた内容。

イスラエル紙『ハーレツ』8日
「明らかになった事実。ネタニヤフ首相は10月7日の数日前に明確な警告を受けていた」
記事によると、ハマスによる越境攻撃の10日ほど前、ネタニヤフ首相はUAEのザイード大統領から電話を受け、ハマスが大規模な作戦を計画しているとの警告を受けたといいます。UAEが根拠としたのは、仲介者を交えて得た、後のハマス最高指導者シンワル氏の言葉。

ガザ地区のハマス指導者(当時)ヤヒヤ・シンワル氏
「とんでもないサプライズを準備している。恐ろしい作戦だ。イスラエルには私の言葉をそのまま伝えてくれ」
しかし、警告を聞いたネタニヤフ首相は「あらゆる事態に備えている」と述べたのみで、その情報を情報機関や軍のトップらと共有することはなかったと記事は伝えています。
CNNエルサレム支局 リーバーマン支局長
「イスラエル首相府は報道を“完全なデマ”と否定。情報機関を通じて連絡は続けていると、UAE外務省は発表しました。“電話の事実”をUAEが否定していない。ここが注目すべき点です。選挙直前の重大なスクープと言えるでしょう」
実は、同じ時期にエジプトからも同様の情報が寄せられていたことや、ハマスの大規模訓練をイスラエル側が察知していたことも過去に報じられています。
来月の総選挙 与党劣勢の予想
あの惨劇は止められたのではないか。そんな批判が選挙直前に沸き起こる事態。野党4党の党首は、ネタニヤフ首相の“失策と職務怠慢”の調査を求める共同声明を出しています。

世論調査では、記事が報じられる前からすでに、ネタニヤフ首相率いるリクード党が劣勢で、連立与党でも過半数に届かないと予想されています。今回の一件が追い打ちをかけることになるかもしれません。
イスラエル ネタニヤフ首相
「我々は正しい軌道に乗っており、大勝利を信じている」
加えて、国際社会からの逆風も吹き始めています。

イギリス ミリバンド外相
「イスラエルによる占領は違法だと本日公式に表明します」
イギリスを筆頭に、ヨーロッパ諸国とカナダ合わせて12カ国が、イスラエルの入植地から物品の輸入を禁じる制裁を発表。これら国内外の声を国民がどう受け止めるのか。選挙は来月27日に行われます。
