
水槽の中に小さな大自然を作り出すネイチャーアクアリウム。魚よりも水草が主役です。多くの愛好家を魅了する理由を調査しました。
生き物を求めて人々が集結
先月、多くの人でにぎわいを見せたあるイベント。お目当ては、さまざまな生き物でした。
参加者(20代)
「今日は爬虫(はちゅう)類・両生類・お魚…生き物全般ですね。エボシカメレオンをお迎えしました」
参加者(30代)
「水草を買いに来ました。水草が好きで、お魚はちょっとだけですね。95%水草です」
参加者(30代)
「お魚と爬虫類両方。コロナの時期に暇だったので、とにかく本気でやれる限りやってみようというので、機材とか色々買って、より水槽も大きくなっていって」
水槽の中に小さな自然を作るアクアリウムやテラリウムなどが人気を集めるなか、開催されたのは国内最大級の即売会「アクアリウムバス」です。個人でも参加できるこのイベントでは、出店者の熱も高まっていました。
出店者(40代)
「ワイルドアクアリウムという魚とかの生息地を水槽内で再現する。南米のネグロ川を再現しているんですけど、水がブラックウォーターといって、紅茶みたいな色をしているんです。現地の様子を楽しむというコンセプト」
出店者(20代)
「元々テラリウムを作るのが好きで、仕事にできないかなと思って、すべて一人で作ってます。両生類を飼育するためのケージとして作っていたんですけど、そのうち植物も好きになって、ケージ作りにのめり込んだ。日々変化することが楽しい魅力なんじゃないかと思います」
限られた空間に思い思いの世界を作る、まさに「水槽の中の小宇宙」です。
ネイチャーアクアリウム?
その世界に魅了される人たちの中でも、今、注目されているのが「ネイチャーアクアリウム」です。
参加者(20代)
「次やるとしたらネイチャーアクアリウム」
参加者(30代)
「ネイチャーアクアリウム」
ネイチャーアクアリウムとは一体、どのようなものなのでしょうか。話題のネイチャーアクアリウムを調査するため、佐々木若葉アナウンサーがやってきたのは、アクアリウムショップ「ADA LAB TOKYO」です。
佐々木アナ
「ネイチャーアクアリウムとはどのようなものですか?」
ADA LAB TOKYO 副店長 川上朋子さん
「いわゆる一般的なアクアリウムというのが、水槽と水草とお魚が入っていて。こちらの水槽がどれもネイチャーアクアリウムになるんですけれども、違いが何か、お分かりになりますか?」
佐々木アナ
「違い…違いですか?」
川上さん
「形式は違うんですけども、それぞれ、気泡が出ていると思うんですけども。実は二酸化炭素を添加していまして」
佐々木アナ
「二酸化炭素?普通は酸素…」
川上さん
「普通は酸欠にならないように入れるんですけども、二酸化炭素を添加することで、水草に光合成を促しているんです。光合成は小学生の時に習うと思うんですけど、水草から生まれた酸素が気泡として、目で見ることができるんです。ネイチャーアクアリウムにハマるきっかけになった一つです」
水草が主役!?
水草が光合成で生み出した酸素で生き物が呼吸をし、生き物のフンなどをバクテリアが分解することで水草の栄養分となる。こうした自然の生態系を水槽内に再現するのが、ネイチャーアクアリウムです。ADAの創業者で写真家・天野尚さんが提唱した、日本生まれの手法です。
佐々木アナ
「きれいですね!」
川上さん
「この水槽がネイチャーアクアリウムの王道なスタイル」
佐々木アナ
「お魚というより、水草がメインですね!」
川上さん
「水草が茂った環境というのは魚にとってもすごく居心地が良くて、この中で私たちも気づかないうちに赤ちゃんが生まれていたりすることもあるんです」
佐々木アナ
「こっちはまた、すごいですね!」
川上さん
「水中部分と水上部分が共存していて、水辺の境界を再現したような。植物好きの方からしたらたまらないスタイルですね」
“水草の世界”受賞作
このネイチャーアクアリウムは、世界的なコンテストが開かれるほど人気だそうです。
川上さん
「こちらが去年のコンテストのグランプリの作品です。マレーシアの方が制作した水槽です」
佐々木アナ
「すごい!外で撮ったみたいな写真ですね」
川上さん
「他にも受賞作品色々あるんですけども、こちらが中国の方が作った作品ですね」
佐々木アナ
「水槽の中だとは思えないくらい、奥行きがありますね!本当の川の中という感じがします」
さらにこちらは、日本人アーティストの作品です。「はるかぜ」という題名の通り、こんな粋な演出もあります。
佐々木アナ
「水面の感じが日本っぽい気がします」
川上さん
「皆さん撮影する時にドライヤーで風を当てて、演出するんです」
佐々木アナ
「すごい!奇跡の一枚ですね」
川上さん
「都内で最大のネイチャーアクアリウムを見る場合、すみだ水族館には4メートルとか7メートルのすごく大きなネイチャーアクアリウムの水槽があります」
佐々木アナ
「7メートルって、すごいですね」
川上さん
「ものすごく長いですね」
佐々木アナ
「あまりにもきれいで、難しそうという感じが…」
川上さん
「育成のポイントをしっかりと押さえながら進めていくと、きれいに育てられるかと思います」
佐々木アナ
「そうなんですね!先ほど7メートルのお話を聞いたので、素人にはできないのかなと思ってしまいました」
初心者が小さな水槽で挑戦
ここでは、お客さんからの要望があれば、専門スタッフが一緒に作ってくれるそうです。佐々木アナウンサーも、一番小さい幅15センチ奥行き15センチの水槽で挑戦します。
最初にポイントとなるのが、構図です。
川上さん
「構図をしっかり決めることが大切です。流木の水槽にするか、石の水槽にするか。かっこいい雰囲気の水槽にするか。穏やかな雰囲気にするか。それに合わせて、石や流木を選ぶところからスタートします」
佐々木アナ
「危うく、これも欲しい!これも欲しい!と色々買っちゃうところでした」
川上さん
「アクアリウムあるあるで」
ということで、まず向かったのは流木の売り場です。
佐々木アナ
「そのまんまの流木!色んな作品を見てきたんですが、流木は置きたいなと…」
川上さん
「ぜひ使っていきましょう」
佐々木アナ
「宝探しみたいな感じがしますね!どれ一つ同じものがないですもんね」
川上さん
「そうなんですよ。天然の素材なので。これだって思うものを。同じ流木でもどんな形のものを入れるかで全然雰囲気が変わるので…。ここは結構悩むところですね」
佐々木アナ
「悩みますね!ずっと考えちゃう、見てられる」
悩んだ結果、佐々木アナウンサーが選んだのはこちらの流木です。この流木に合わせ、固定用の石は黒色のものを選びました。
こだわりの水草選び
続いては水草選び。ここでも重要なポイントがあります。
佐々木アナ
「水草だけでこんなにあるんですか?」
川上さん
「水草は水槽の前から、前景草・中景草・背景草と、成長してきた時の背の高さ。前に背の高い水草を選ぶと、育ってきた時どうしても壁のようになってしまうので、前景草に選ぶ水草は、じゅうたん状に広がる水草を選んでいただければと思います。おすすめは『キューバ・パールグラス』『グロッソスティグマ』といった水草です」
佐々木アナ
「初めて水草で悩んでいます!」
佐々木アナウンサーが選んだのは、ツブツブ感が可愛いキューバ・パールグラスです。中景草には、赤い葉が特徴的な水草を選びました。
最後に、一番背が高くなる背景草には、こちらの水草を選びます。
川上さん
「初めての方におすすめなのが、こちらの『佗び草』シリーズ。背景草になる水草がミックスで苔玉のように」
佐々木アナ
「ありがたい!こういうのを待っていました!」
水草の魅力引き出すコツ
佐々木アナウンサーが選んだアイテムはこちらです。早速、水槽にレイアウトしますが、ここで最大のポイントがあります。
川上さん
「たとえば、こういう感じの水槽。紅葉をテーマにした作品ですが、実はこの水槽も、水草を植えた直後はこんな感じです」
佐々木アナ
「あら!シンプルな感じで」
川上さん
「はい。なので完成形を想像しながら、水草の配置や植える量を決めていきます」
まずは土台となる土を入れ、そこに全体の印象を決めるメインの流木を配置。位置が決まったら、前景・中景・背景と、育った後を考えながら水草を植えていきます。
佐々木アナ
「例えば、水槽だけ持っている人はどうすれば?」
川上さん
「サイズを測ってきていただければ、機材をお店でお選びいただくこともできます」
作業すること約1時間。佐々木アナウンサーの作品が完成しました。
佐々木アナ
「はい、完成しました!見てください!こちらのテーマは、『今日も右肩上がり』です!流木を右肩上がりで置いてみました。どんどん水草たちが成長していくという生命力から勇気をもらって、これを見たら『今日も右肩上がり』というテーマで作ってみました!」
川上さん
「とても運気が上がりそうな」
佐々木アナ
「よかった!」
ちなみに、先ほど見た水槽は、大きなボンベなど機材をすべてそろえると60万円ほどかかるそうです。小さな水槽だと、ボンベもミニサイズで約6万円。小型のエビや、コケを食べてくれるメンテナンスフィッシュなどを飼うことができます。
(2026年9月15日放送分より)
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