
9月20日、ドイツの首都ベルリンと北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州で議会選挙の投票が始まった。今回も極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を伸ばしていて、台頭する公算が大きくなっている。一方で、メルツ首相率いる与党「キリスト教民主同盟(CDU)」は、特に北東部の州で、支持率の低迷が伝えられ、議席を得られるかどうかの瀬戸際に立たされている。
【画像】極右政党またも躍進へ 20日ドイツ首都と北東部の州で議会選 メルツ首相辞任説も浮上
ドイツでは、2週間前にドイツ東部のザクセンアンハルト州で議会選挙が実施され、AfDが第1党になった。この躍進は、各国でも大きなニュースとなり、ドイツ政治に大きな波紋を広げている。今回の選挙結果によっては、メルツ首相が辞任する可能性まで取りざたされている。
(外報部 大原武蔵)
極右AfDがまたも躍進か
AfDが躍進しそうなのが、北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州の選挙だ。6日のザクセンアンハルト州に続き、第1党になる可能性がある。
現地メディアが17日に公表した世論調査では、AfDの支持率は36%だった。前回の2021年の得票率が16%だったので、大幅に伸びることが予想される。
一方、AfDを食い止めようと奮闘しているのが、与党「キリスト教民主同盟(CDU)」と連立を組む「社会民主党(SPD)」で、37%の支持率で競っている。
与党CDU大敗か 「存続をかけた戦い」に
こうした中、メルツ首相率いる与党CDUの支持率は6%に留まった。この苦戦はAfDの躍進以上に注目されている。
ドイツの州議会選挙では原則として、5%を下回った政党には議席が配分されない仕組みがあり、ドイツメディアはCDUが1議席も獲得できない「歴史的敗北」を喫する可能性があるとも報じている。CDU幹部からは「存続をかけた戦い」になるとの焦りの声もあがっている。
同じ20日に首都ベルリンでも投票が実施される。ベルリンは、CDUが旧西ベルリンを中心に強固な支持基盤を持っている、いわば牙城だ。現地の世論調査では、20%の支持率を獲得しているものの、ここでもAfDの支持率は18%と迫っている。因みに前回2023年の議会選でのAfDの得票率は9.1%だったため、首都でも支持を拡大することが予想されている。
メルツ首相が外交日程を変更 辞任説も
ドイツメディアによると、CDUはザクセンアンハルト州の二の舞のような結果を警戒し、20日の選挙後、幹部らの会合を複数回予定していてる。そうした対応のため、CDUの党首であるメルツ首相は、22日に演説する予定だったニューヨークの国連総会への参加をキャンセルした。ワーデフール外相が代わって参加する予定だ。
それだけではない。メルツ氏の辞任説もささやかれるようになった。
ドイツの有力メディア「フォークス」は17日、今後数週間に起こり得る3つのシナリオを報じた。そのうち1つは、メルツ氏がCDU幹部から退陣を提案され、首相の職を辞するというものだった。
また、メルツ首相は、来月下旬に日本を訪問する予定だが、日独外交関係者からは、選挙結果が外交日程に更なる影響を及ぼすのではないかとの心配の声が聞かれている。
ザクセンアンハルト州の選挙以降、与党陣営がAfDとの連立を断り続ける態度に批判が高まっている。”極右であっても民意が選んだ政党”として、メルツ首相だけでなく、与党陣営はどうAfDに向き合っていくのだろうか。経済や移民問題で多くの課題を抱えるドイツの現状に対して、与党には根本的な改革が求めらている。今回の2州での選挙は、メルツ政権にとって、本当の正念場になるだろう。
ベルリンとメクレンブルク・フォアポンメルン州の開票は、日本時間21日午前1時に始まる予定だ。
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