
30日も東京は雨。東京都心はこれで35日連続の雨となり、統計史上の連続降雨記録を更新しています。そして、日本の南にある台風26号が来月1日にも関東に最接近するとみられています。これまで冠水した水がいまだに引いていない地域の住民は被害の拡大を心配しています。
台風あす関東最接近
日本列島の南をあまり速度を上げずに進む台風26号。伊豆諸島では、30日の夜から荒れた天気となる見込みです。
台風接近の前に買い物に来た客は、次のように話します。
住民
「すごい台風が多くて、どれくらいの規模になるか分からないので正直怖い」
台風26号は、伊豆諸島の南の海上を北上し、来月1日にも関東に最接近する見込みです。
活発化した秋雨前線は、29日も各地で雨を降らせました。
東京都心では29日、34日連続で雨が降り、統計史上最長の長雨に。これまでの記録は、いずれも6月から7月にかけて観測したもの。梅雨よりも長い雨が続いています。
そして、30日未明以降も断続的な雨となり、35日連続と、史上最長を更新しています。
二次災害への備えも
今も10軒以上が浸水したままとなっている、千葉県の南酒々井駅前の住宅地には、無情の雨が…。
住宅地に降った雨は、北側にある「高崎川」に流れる仕組みでしたが、台風により崩れた盛り土が排水路を塞いでいます。
懸命な排水作業が行われていますが、雨の影響もあり水位は下がらず。そこに、まもなく接近するのが「台風26号」です。
住民は「二次災害への備え」を始めていました。
自宅が床下浸水
保科勇太さん(44)
「もう、急きょ避難させたって感じ」
「(Q.少しでも高く上げて?)あとは濡れないようにビニールをしています」
9カ月前に、この地に移り住んだばかりの保科さん。テーブルをビニールに包み、その上にソファを乗せ、椅子は押し入れの上に。
「床下(浸水)なので、いつ床上(浸水)に変わるか分からないので、こうやってできる限りのことをやっていますね」
点検口を見てみると、すでに水が入り込んでいるのが分かります。風呂場も…。
「もう、ここが排水ができなくて水がたまり始めていて、浴槽の中も逆流してきている。茶色い水になってきているので」
「この1週間見ていますけど、(増える水位が)時間単位なんですよ。その恐怖感がありますね」
「雨が本当に怖い」
台風通過翌日の先週22日夜。保科さんの家の前の道路では、奥の森から25メートルほどの範囲で冠水しました。
それが23日の朝には35メートルに。さらに数時間後の昼には、水位が一気に上昇しているのが確認でき、1週間が経過した29日には「およそ50メートル」と、倍にまで範囲が広がっていました。
保科さん
「ここちょっと坂になっていて、この何日間かで(水深が)上がってきているので。(奥の森のほうは)水深が1.8メートルぐらいあるかなっていうくらい」
「台風25号・26号というダブルパンチが、今住人からすると落胆している状態。この雨が本当に怖いので。僕はここの町が大好きで来たので、離れようとか全く考えたくないんですよ。自然も豊かでこんな所を離れるわけにはいかないって。こういう結果になっているけど、それも踏まえて居たいと思います。いつも願うのは目が覚めたら水が引いていること」
浸水地域の住人
「雨が降らないことを本当に祈っています。(台風26号で)予想される大雨が来てしまったら、排水は間に合わないと思う。そうすると増水」
酒々井町によると、台風26号が接近した際は状況を見ながら「国交省と連携してポンプ車以外の排水方法を検討中」だとしています。
「住みやすい街」も冠水
台風26号の接近に不安を抱える場所は、他にもありました。
地元住民
「一応こういうのやるしかないですけど…」
「(Q.土嚢(どのう)ですね。今回の台風対策?)そうですね、この前もやっていたんですけど」
「(Q.(台風が)立て続けにですが?)(台風が)来なくても、ちょっと雨が降ると不安ですよね」
8月の千葉豪雨と先週の台風による被害を受けた千葉県佐倉市。中でも佐倉駅に近い表町は、1カ月で2度も住宅が浸水するなど大きな被害が出ました。
表町に住む人は、こう話します。
「(佐倉市表町は)基本的には住宅地になりますね。スーパーであったりとか、基本的な商業施設も徒歩圏内にあります」
新築の戸建てやアパートも多く、周囲には公園もあり、住みやすい環境だといいます。
「駅近というのもありますので、やっぱり電車を利用される通勤の方とかにはすごく便利な町なので」
佐倉から東京までは電車でおよそ1時間。通勤にも便利なため、現役世代も多いといいます。
大雨による冠水が起きるまでは…。
「立地として住みやすい場所だなと思っていた」
駅から近く通勤にも便利な住みやすい街は…先週、胸元近くまで水につかっていました。
地元住民
「(水が)ここまで来ているわけですよ」
「畳もすぐ乾くかなと思ってエアコンずっとかけていた。やっぱりだめですね」
これは住宅街に設置された防犯カメラの映像です。台風25号が通過した22日の午前1時10分。道路を歩く人は傘を差しておらず、すでに雨はやんでいるのが分かります。
午前1時14分。画面左奥から水が流れ込んできます。午前1時17分。わずか3分ほどで道路が冠水してしまいました。午前2時42分。車のタイヤの上部にまで水位が上昇。その後ろでは、大きな箱のようなものが流されています。午前10時3分。夜が明け、明るくなってからも水は引かず、周囲は冠水していました。
佐倉市表町では、雨がやんだ後に短時間で冠水してしまいました。
防犯カメラを設置していた男性
「とにかく速かった、スピードが。いやもうビックリです」
自宅が2度浸水
自宅の浸水で疲弊している人も。
8月の千葉豪雨と先週の台風25号。1カ月に2度、自宅が浸水したという男性。
8月豪雨の際には、足首のあたりまで浸水。さまざまなものが流され水に浮いていましたが…先週の浸水では、窓の半分が見えなくなるほど水位が上昇。歩くのもやっとな状態です。
水が引いた後の部屋と比較すると、胸元近くまで水位が上がっているのが分かります。キッチンにも水があふれ、浴槽は水没してしまいました。
自宅が2度浸水した住人
「今回、窓とかドアから入ってきたんじゃないんですよね。下から噴水のようにあふれ出てきて、そこからどんどん入ってきて」
2度の自宅浸水で、今考えているというのが…。
「引っ越せれば引っ越したいっていうのはありますけどね。物件見つかるかって言ったら、多分なかなか見つからないので。この水害があったんで、川のそばには住みたくないとか、ハザードマップを見ながら、多分探すようになると思う」
新築住宅が浸水
新築の住宅が浸水してしまった人もいます。
「1階の所はもう全滅っていうところで」
築1年2カ月。夫婦と子ども2人で生活をしているという新居が浸水。
「ショックが大きいところが正直なところではありますね。せっかく建てた家だったので、まさかこんな早くそんな形になっちゃうとはちょっと思わなかったので」
台風26号が近づくなかで、町では片付け作業が進んでいますが…。
表町 佐野光正町内会長
「本当は町内会の組織を挙げてね、冠水したものをね、畳とか家具とかそういうやつを皆さんと一緒に引っ張り出してね。今回は(被害が大きすぎて)ちょっとそこまでの組織的な動きはできなかったですね」
地元住民
「前の水が引いてない状態でまた(台風が)来ると、そんなにいっぱい降らなくてもまた氾濫するかもしれないんで、そこは多分、地域の人全員心配あると思います」
飲食店が浸水 断水も
台風26号を警戒する場所は他にもありました。
台風25号の影響で堤防が決壊した千葉県の印旛沼では、復旧作業が急ピッチで進められていました。
台風26号が近づく中、周辺住民はまだ先が見通せないといいます。
和風レストラン錦谷
谷芳紀代表
「畳が浮いてしまった」
ウナギや川魚が名物の飲食店では店内が浸水。趣のある広い店内が一面茶色の水であふれ、厨房(ちゅうぼう)には調理道具が散乱しました。
「冷蔵庫なんて開けられないよ。ひっくり返っちゃってて」
やっとのことで片付けが一段落ついたといいますが、この地域では井戸水を利用していて、断水が続いているといいます。
「井戸水なんで、まだ水が出ないんですね」
営業再開には3カ月程度かかるといいますが、追い打ちをかけるように新たな台風が…。
「対策できる範囲のことはやっていますけれど、気象が変わってきていますので、同じような台風が来たらさらに大きな被害がこの地域にも出てくるんじゃないかなと思う」
浸水被害 農家にも打撃
佐倉市の「農家」も、浸水被害に悩まされていました。
山崎農園 山崎俊作さん
「ここの田んぼが、つかっちゃっていたんですけど」
「水位を超えてきちゃって、うちのハウスも…」
「ここです、ここまで」
「(Q.水位がですか?)水位が」
「そこ(田んぼ)との高低差を考えると3メートル近い」
「9月(先週の台風25号)のほうが被害は大きいです」
70年以上続く老舗の「ユリ」の生産・販売農家。本来であれば、8月に1万球のユリを植えるための土づくりを行い、11月に球根を植える予定でした。
しかし「千葉豪雨」で、ハウスが浸水。ユリを育てるのに欠かせないボイラーも故障しました。
11月の種植えを目指し、急ピッチで土を耕していた矢先に台風25号が襲い、再び浸水。2度の浸水被害の損失額は、合わせておよそ1500万円にも上るといいます。
「結構頭抱えていますね、正直。ボイラーの故障は予定外でした。まともにユリが植えられるようになるには早く見積もって3年。きれいに全部がびしって育つとは思えない、この状況で。(台風26号対策は)全部ハウスを閉め切って電気系統を全部落とす。やれるべきことをやるってだけですね。ショック受けても、来るものは来るじゃないですか。だからやることをやるだけですね」
印旛沼堤防周辺の土壌調査
台風26号に備え、急ピッチで復旧が進む印旛沼の堤防。番組では、堤防周辺の土壌を調査しました。使用するのは棒のような測定器。これを土に刺すことで、土壌の水分量が分かります。
専門家によると、土壌の水分量が30~40を超えると注意が必要だといいますが…。印旛沼周辺の土の中の水分量は、67.5と出ています。
計測値は40を大きく超え、70に迫る数値に。さらに、先週台風25号の影響で土砂崩れがあった山武市の住宅街周辺の土壌では、63.8と出ています。かなり高い数値です。
専門家の中央大学理工学術院・手計太一教授は調査結果について、こう分析します。
「(水分量が)55%ぐらいになりますと、土のですね、粒子同士のかみ合わせがほとんどなくなってしまい、ドロドロの液体のような状態になってしまいます」
「まさしく土砂災害ですとか、それから堤防の決壊、そういうことにつながる可能性っていうのが非常に大きくなっていきます」
(2026年9月30日放送分より)
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