経済同友会の山口明夫代表幹事は10月6日の記者会見で、大手企業などで相次ぐサイバー攻撃や情報漏洩を巡り、攻撃側が人工知能(AI)を積極的に活用し始めている現状に強い警鐘を鳴らした。
【映像】日本IBM代表取締役会長も務める山口代表幹事のアドバイス
日本アイ・ビー・エム代表取締役会長を務める山口氏は冒頭、昨今の情報漏洩の頻発を受け、同友会内部の会員にも警鐘を発信していると言及。被害の現状として、社外から社内システムに接続する「VPN」や外部向けのウェブサーバーに多くの攻撃が届いていると説明した。さらに、攻撃者がAIを使い始めている事実を挙げ、IBMコーポレーションの調査で「サイバー攻撃にAIが使われるケースが前年比で56%増加している」と指摘。かつては専門技術が必要だったシステムへの侵入が、AIの活用により「深い知識がなくてもさまざまな攻撃を実行できてしまうようになった。ある意味AIの影の部分が顕著に現れてきた」と分析した。
その上で、企業が講ずべき具体的な対応策として、ソフトウェアの修正プログラムの速やかな適用、パスワードに加えてスマートフォンなどを併用した多要素認証の導入、従業員がフィッシングに騙されないための教育の徹底、システムの脆弱性を放置せず影響の大きい最重要システムから優先して対応を講じる必要性を説いた。
サイバー攻撃がもたらす日本経済への影響について、山口氏は「企業の信頼性に関わる問題」と「経済活動そのものの停止」の2点を指摘。ITが社会に浸透した世界においては「サプライチェーンでシステムがつながっているため、一社だけの影響にとどまらない。インシデントが起きればすべての対応に追われ、さまざまな活動が止まるため、甚大な影響を及ぼすことは間違いない」と懸念を示した。
対策費用や専門人材の不足に悩む中小企業の防衛策については、「専門家がいなくとも、今動いているシステムのセキュリティパッチを常に最新の状態に更新していく作業が極めて重要だ」と言及。セキュリティ対策をコストではなく「投資」として捉え、今後ますます必要になっていくとの考えを示した。
(ABEMA NEWS)
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