
沖縄県那覇市で女性が殺害され、アメリカ海兵隊員が逮捕された事件を受けて、在沖縄アメリカ軍トップが6日夜、緊急声明を発表した。「48時間の活動停止」などの対策が掲げられているが、アメリカ軍関係者による犯罪は減らせるのだろうか?
古謝知事、小泉防衛大臣と面会
那覇市でアメリカ兵が逮捕された強盗殺人事件を受け、沖縄県の古謝玄太知事は小泉防衛大臣と7日午前に面会し、再発防止策を協議するよう申し入れた。
古謝知事と面会した小泉大臣は、アメリカ側へ捜査への全面協力や再発防止の徹底などを申し入れたと述べた。
その後、古謝知事は茂木外務大臣とも面会。午後には高市総理にも再発防止策を要請する予定だ。
「地位協定」見直しの声も…
まずは、日米の「地位協定」について見ていく。
今回、地位協定が捜査を妨げたわけではないが、「日米地位協定見直し」の声が相次いでいる。
6日に始まった沖縄県議会で、沖縄県の古謝知事はアメリカ軍と日米両政府に対して「日米地位協定の見直しを含む実効性ある抜本的対策を強く求める」と訴えた。
この「日米地位協定」とは、1960年に締結されたアメリカ軍関係者の日本での法的地位などを定めた国際協定で、例えば、アメリカ兵が日本国内で事故を起こしてもアメリカ軍が「公務中」だと判断した場合には、アメリカ側が優先して裁判を行う権利を持ち、原則として日本が先に起訴して裁くことはできない。
また、アメリカ兵が事件後、アメリカ軍基地に戻った場合には、起訴するまではアメリカ側が身柄を拘束できるとしている。つまり、日本の警察の捜査が制限されかねない不平等な協定だとも指摘されてきた。
こうした身柄の引き渡しを巡る問題は30年以上前から指摘されてきた。
1995年9月、アメリカ兵3人が小学生女児を車で連れ去って暴行する事件が起きた。その時、日本は起訴前に身柄引き渡しを要求したが、アメリカ側はこれを拒否した。
このことに対して県民の間で反発が広がり、翌月21日に開いた抗議集会には主催者発表で8万5000人が参加した。するとその集会から4日後、地位協定について日米両政府が話し合う「日米合同委員会」で、殺人や性的暴行などといった凶悪犯罪の場合には日本側による身柄引き渡しの要請に対してアメリカ側は「好意的な考慮を払う」ということで合意した。
女児を暴行したアメリカ兵3人は日本の裁判で実刑判決が言い渡され、2人が懲役7年、1人が懲役6年6カ月となった。これ以降もたびたび「地位協定」見直しの声は上がってきたが、アメリカ側が応じないことからこれまで一度も改定されていない。
効果的な再発防止策は
在日アメリカ軍関係者による凶悪事件が増える中、有効な再発防止策とは?
アメリカ軍関係者による凶悪事件が増加しているということで、対策も取られている。
それが「リバティー制度」というもの。「リバティー」は「自由」を意味する英語だが、これは在日アメリカ軍の「勤務時間外における行動指針」、いわば“自由時間”におけるルールのことだ。例えば、午前1時~5時までの間、基地の外での飲酒や、酒類を提供する店への入店を規制するなどで、このルールが守られているかどうか、憲兵らによる歓楽街でのパトロールなども行われていて、違反した場合、減給や除隊などといった処分のほか、軍法会議にかけられ2年間の禁錮刑(きんこけい)などが科される可能性もあるという。
こうしたなか、6日、在沖縄アメリカ軍トップのワトソン中将が緊急声明を発表した。
声明では県内のアメリカ軍関係者について、7日正午から9日正午までの48時間、「活動を停止」し「基地からの外出を認めない」、また「基地の内外を問わず、飲酒を全面的に禁止する」という。
その後9日から30日間、午前0時までの門限を設けるなど、一連の対策によって既存の「リバティー制度」を強化するという。
(2026年10月7日放送分より)
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