
今、外国人が日本に来て結婚式を挙げるという「インバウンド婚」が増えています。中には、京都で国宝のお寺の施設を貸し切って盛大な式を挙げたというケースもあります。
【画像】日本のロックバンドを招待し生演奏も…インバウンド婚の内容
国慶節の大型連休 各地で行列
地面が一切見えないほど大通りを埋め尽くす人の波。のべ21億4400万人(推計)が大移動した、中国の建国記念日にあたる国慶節の大型連休。
中国随一の名山ともいわれる黄山。雨の中、果てしなく続く超密度の行列。山頂付近は濃い霧で、周りが全く見えません。
中国国内はどこも人であふれかえり、上海では撮影スポットを巡って取っ組み合いになる場面もありました。
延々と続く高速道路の大渋滞。道路上では車内で麻雀が行われたり、旅行者が一斉に踊り始め、高速道路がダンス会場のようになったりする場面も。
中でも相次いだのが、サービスエリアなどでの車の充電待ちの大行列。充電用ソケットを求めて、トラブルも相次ぎました。
EV大国の中国では、新車の販売台数の60%以上が電気自動車(EV)。中国国家エネルギー局によると、国慶節の大型連休の初日、全土の高速道路の充電量が過去最高を記録。(前年同日比60.4%増)
高速道路に一極集中することで、EVの充電渋滞が多発していたのです。
休暇を海外で過ごす人も増え、多くの中国人が訪れたのが、インドネシアや韓国、タイなどの国です。
中国の大手旅行サイトによると、去年は国慶節での旅行先の1位が日本でしたが、高市総理の台湾有事を巡る発言の影響で、今年はランク外になりました。
中国人観光客減少で観光業は…
日本国内の観光地では…。
染の安坊 浅草本店 戸塚真菜店長
「多かったころの中国の方って何家族かでいらっしゃるイメージですけど、団体でツアーを組まれたりもありますし。それが少人数になっているのかなって感覚もある」
実際に、浅草で観光客に話を聞いてみました。
アメリカからの観光客
「日本は今回で3回目。日本が好きだから、また来ました。そういえば、それほど東京で中国語を耳にしてないわ。私個人としての感覚だけど」
フランスからの観光客
「たくさんの人が旅行し、経済に貢献してくれる中国からの観光客が減るのは、日本にとって悩ましいことかもしれない」
中国人観光客の減少で、観光業にも大きな影響が出ています。外国人観光客が多く訪れる浅草の着物レンタル店では…。
浅草着物レンタル店「大吉」 大友雄介店長
「正直、今年はもう(中国人観光客は)ほぼいらっしゃらないです。ほぼほぼ95%は減ったんじゃないでしょうか。全体の売り上げからしたら(前年比で)3割減ぐらい」
“インバウンド婚”注目
中国からの観光客が減る中、今訪日客を取り込むための新たな起爆剤として注目を集めているのが、日本に訪れて結婚式を行う“インバウンド婚”です。
京都市左京区にある三明院。三味線の音色が響く中、着物姿で現れたのはイタリア人のマルコさん(53)とアレサンドラさん(51)一家です。
三明院 佐竹俊晃住職
「本日は短い時間ですが、少しでもちょっと良い時間になるように、どうぞよろしくお願いいたします」
イタリアでは事実婚だという2人。子どもたちが成長したのを機に、日本で旅行を兼ねた結婚式を挙げるため、やってきたといいます。
日本で挙式 アレサンドラさん
「子どもたちが日本が大好きで日本映画をいろいろ見たりして、私も日本へ行ってみたいと思うようになりました。マルコが私に『結婚しよう』と言ってくれた時に『日本で結婚式はどう?』と提案したのです」
式の前には役場で婚姻届の提出を行い、晴れて日本で夫婦と認められました。
マルコさん
「きょうという特別な日に、あらためてきみに伝えます。私ときみの子どもたちは、きみを愛しています」
アレサンドラさん
「ありがとう」
ウェディングスタッフ
「3つ数えますので。1、2、3、乾杯」
ウェディングプロジャパン
ダニエル・アラケリアン代表
「日本はとても人気。そして安全、治安もいいし。新婚旅行とあわせて行える。そしてシンプルな挙式。多くのカップルは着物に興味を持っています」
こう話すのは、式の進行を行っていたダニエルさんです。外国人に向けた結婚式のプロデュースなどを行っています。
特に人気を集めているのは、白無垢や着物を着て寺や神社などで行う“和装婚”だといいます。
仏前式を行った三明院 佐竹住職
「何か外国人からすると新鮮で、何か神秘的に感じられるようで、喜びの声をいただいている。お寺はお葬式だけじゃないよというイメージが払拭できれば。いろんなお声が増えて、このご縁も広がればいいなと思っております」
沖縄では県が主導し…
国内のウェディングでも人気が高い沖縄では、県が主導してインバウンド婚を誘致。香港や台湾などで誘致イベントを開催。海外からの利用者が年々増加しているといい、去年は687組が執り行ったといいます。
人気のプランは沖縄らしい自然が広がる沖縄本島中部エリア。海の見えるリゾートチャペルで結婚式と、フォト撮影を行うセットプランが人気だといいます。
参列者は家族や親友15人ぐらいが多く、結婚式の費用は50万円ほど。(※参列者を含めた日本への渡航費や滞在費を除く)
沖縄県観光振興課 担当者
「独自の歴史で育まれてきた風土とかで、独自の文化なども体験できるということで、人気になっています。今後PRを重ねてですね、増加していくと期待されています」
神社でサプライズ結婚式
この日、京都市左京区の三宅八幡宮にやってきたのは、アメリカから旅行でやってきたピーターさん夫婦。
実は夫のピーターさん(56)、この神社で奥さんに内緒で準備したサプライズ結婚式を計画しています。
ピーターさん
「実は私たちの結婚式、2度もキャンセルとなったからです」
そこで3度目の正直にと、日本でサプライズ結婚式を行うことに。
宮司さんたちも気づかれないように、建物内へ隠れます。
ダニエル代表
「神社の境内に入る時は、真ん中を歩かないで端に寄って」
「これは手水というお清めの作法の一つ」
すると…。
ダニエル代表
「ピーターから一言あるみたいだよ」
ピーターさん
「ジベラ、これは単なる旅行ではなく、実はこれから結婚式があるんだ。なぜなら、今まで私と一緒に過ごしてきて、子どもたちも育ててくれたけど、結婚式を挙げることができていなかったから。僕と結婚してください」
ジベラさん(57)
「知らなかったわ」
「みんな知ってたの?」
「ティッシュがいるわ」
神社側の協力もあり、無事にサプライズは成功。雅楽奏者も登場し、雅楽の演奏とともに結婚式が始まりました。
宮司
「終生変わらず、妻ジベラさんを愛することを誓いますか」
ピーターさん
「はい、誓います」
宮司
「終生変わらず、夫ピーターさんを愛することを誓いますか」
ジベラさん
「はい、誓います」
ジベラさん
「心臓がバクバクして、何が起きているか分かりませんでした。こんな素晴らしい場所で、式まで挙げられるなんて現実離れしています。夢のようです」
今回のインバウンド婚をプロデュースしたダニエルさんは、次のように話します。
「リーガルマリッジ(法的効力のある結婚式)と、挙式と時々パーティーもあります。来年も桜の季節、とても人気ですので、結構もう満席で予約いっぱいです。とても世界中で人気です。日本と世界をつなぐ、文化の架け橋になりたいと思います」
インバウンド婚市場3200億円
日本のインバウンド婚市場、調査を始めた2021年にはおよそ2100億円という市場規模でした。
これが2026年にはおよそ1.5倍の3200億円ほどになりました。この先予測になりますが、10年後の2036年には2.2倍のおよそ6800億円ほどになるのではということです。
外国人向けのウェディング会社を運営しているノマドウェディング平田滋睦代表は、「今結婚されているお客様は子どもの時に日本のゲームやアニメに触れて育った世代が多く、日本に対して憧れを持っているため、インバウンド婚が増えているのでは」と分析をしています。
では、実際にどんなプランがあったのか見ていきます。
去年5月、京都で挙式を挙げました俳優と実業家のインドネシア人のお2人の例です。国宝「青不動」をまつるお堂「将軍塚青龍殿」を貸し切り、120人以上を招待したパーティーを開きました。
さらに2次会では、2人の大好きな日本のロックバンドを招待し、生演奏もしてもらったそうです。
そして気になる費用ですが、残念ながら非公表ということで教えていただけませんでしたが、素敵な式になったようです。
そしてもう一つ、こちらはアメリカ人の2人です。去年10月に来日をしました。
この2人はウェディングフォトの撮影を行ったそうで、富士山をバックに撮影。100万円でオーダーメイドのドレスを発注しました。
あと、お天気が大事ということで、晴れた日に撮影ができるよう3日間、受賞歴のあるプロのカメラマンのスケジュールを押さえていたそうです。
こちらは費用としては、400万円以上かかったということです。
(2026年10月9日放送分より)
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