
出版取次大手・日販グループホールディングスの子会社が、アメリカのAI開発企業「アンソロピック」に日本の書籍を相談なく販売していたことが分かりました。AIが学習するために日本の書籍が使われていた可能性があります。
「ネット上の情報は学習し尽くし…」
クレアブック 塚本徹店長
「7月の最初の頃からですね、5冊から10冊ほどを毎日とか、間2~3日空けてずっと購入する感じですね。もう200冊は軽く超えていると思います」
こう語るのは、福岡市内で古書のネット販売を行う業者です。3カ月ほど前から突然、大量に古い本の注文が入るようになったといいます。
そのリストの購入者の欄には、外国人のようなアルファベットの同じ名前が書かれています。しかし、本のジャンルはバラバラ。歴史や経済、科学、自己啓発本から絵本まで、とても幅広く購入されていました。
「今までなかったことですね。『これなんだろうな?』みたいな感じでした」
ここだけではありません。都内で約500の事業者が加盟する古書店の組合の担当者はこのように話します。
東京都古書籍商業協同組合
「7月にアメリカで日本書籍の販売をしているという人から、古書を数百から数十万冊販売してほしいとメールで問い合わせがありました。また、定期的に販売してくれるパートナーを探しているため、紹介してほしいとも言われました」
担当者は要望に応えることができないため、これを断ったということですが、著作権などに詳しい弁護士はある可能性を指摘します。
著作権に詳しい
福井健策弁護士
「(書籍を)大量にAI企業が購入し、そして学習している。ネット上の情報は学習し尽くしたと言われている。そこでこれからはネット上にない情報を学習する、そういう競争をAI企業はやっているわけです」
著作権侵害にあたる?
実際にAI開発企業のアンソロピックが本を大量に購入し、AIの学習に利用していたことが明らかになっています。
資料の中には「Nippan Japan」の文字も。日販とは出版社と書店の間に入って本の流通を担う取次の大手です。
関係者によると、日本書籍出版協会が日販に問い合わせたところ、おととし12月から去年12月に販売した事実を認めたといいます。ただ、AI学習への利用を目的とした書籍購入とは認識していなかったと回答したそうです。
福井弁護士によると、読み込ませた書籍とそっくりなものを生み出すための学習でなければ、書籍の学習そのものは著作権侵害にはあたらないといいます。
ただ、AIによる無秩序な書籍の利用が広まれば、出版社や作家などに大きな打撃を与えかねません。
「(書籍を学習した)AIの要約・AIの出力だけで用が足りてしまうと、もう新しく本は買ってもらえない。そんなことが続いたら、次どうやって新しい本を作り出すんですか。エッセンスだけ抜き出して、以後の巨大な利益はAI企業に集まっている。作者や出版社自身が食べていけなくなっちゃう。これはある種の“知の搾取”でしょう」
(「グッド!モーニング」2026年10月10日放送分より)
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