
将棋の西山朋佳白玲(清麗、女流名人、女流王将、31)が、女性初となる「棋士」の資格を獲得した。10月10日に金沢市の「ホテル日航金沢」で行われた第6期ヒューリック杯白玲戦七番勝負第5局で、挑戦者の福間香奈女流四冠(女王、女流王座、女流王位、倉敷藤花、34)を下してタイトルを防衛し、通算5期獲得によって新規定に基づく資格を手にした。この勝利により対戦成績を4勝1敗とした西山白玲は、永世称号である「クイーン白玲」の獲得とともに、将棋界の歴史を塗り替える扉を開いた。
今回の棋士資格獲得は、日本将棋連盟が2025年6月に制定した新規定に基づくものだ。同規定では、女流最高峰とされる白玲のタイトルを通算5期獲得した者に「フリークラス棋士編入資格」が与えられる。従来の棋士資格は、養成機関である奨励会を突破するか、棋士編入試験に合格する必要があったが、今回の勝利によって同規定が初めて適用される歴史的なケースとなった。
資格を得た西山白玲は、かつて奨励会に在籍して棋士を目指したものの退会し、2021年4月に女流棋士としてデビューした経歴を持つ。その後も実績を重ねて基準を満たし、棋士編入試験を受験したものの2025年1月に不合格となっていた。長年にわたり盤上で挑み続けてきた「棋士」への道が、今回の白玲防衛によって結実した。
棋士資格を獲得した西山白玲は、獲得日から2週間以内に権利を行使するかどうかの判断を行うことになる。
権利を行使した場合は来年4月1日付での昇段となり、制度上は「棋士」と「女流棋士」の兼業となる。男性棋戦では「四段」、女流棋戦では保持タイトルなどを称して双方の棋戦に出場可能だが、特定の棋戦だけを選んでの出場や欠場は認められない。ただし、女流棋戦または男性棋戦のどちらか一方をまとめて休場することは認められている。
なお、兼業にあたっては女流棋士枠として男性棋戦へ出場することはできなくなり、10年以内にフリークラスを脱出できなければ棋士資格を失うものの女流棋士としての資格は維持される仕組みだ。
女性初の棋士資格獲得という偉業は、将棋界に大きな歴史的足跡を残した。資格行使に関する本人の決断とともに、男性棋士と肩を並べて戦う新たなステージでの今後の活躍に大きな注目が集まっている。



