そんな関係が動いたのは2年生の時。共通の友人に誘われたカラオケで初めてまともに言葉を交わすことになり、大人っぽい印象だった妻が『クレヨンしんちゃん』のオープニング曲を迫真の声マネで歌う姿に、夫は一気に親近感を抱いた。その後、夫は勇気を出して妻を映画に誘い初デートを実現させたものの、2回目の誘いはやんわり断られてしまう。さらにある日、大学へ行くと妻の姿がなく、先生から突然の中退を知らされた。実際は大学生活に疲れ、別の環境で学び直そうと決めただけだったが、事情を知らない夫は「僕が男を出しちゃったから、嫌がらせてしまった」と思い込み、大きなショックを受けた。
しかし半年後、物語は思わぬ形で動き出す。徳島のショッピングモールへ家族と映画を見に来た夫が、偶然妻とすれ違ったのだ。館内を必死に探し回るも見つけられず、「会いたすぎて幻覚でも見たんかな」と肩を落としたが、2日後に妻から「あの時すれ違ったよね」とメッセージが届き、再会が実現した。お詫びとして猫のポーチを渡された夫は、「このままバイバイなんて嫌じゃ」と覚悟を決めて人生初の告白をした。番組では、この偶然の再会から告白までを夫婦本人が再現VTRで熱演した。
告白を受けた妻はすぐには返事をせず、まず母に相談した。女手ひとつで家を守ってきた母にはお墓や家を守っていきたいという思いがあり、以前から「結婚するなら婿養子に入ってくれる人がいい」と考えていた。そこで妻が夫に「付き合うなら結婚も考えられる相手がいい。なんなら婿養子どうですか?」と切り出すと、夫は「いいよ〜」と即答し、結婚前提の交際が始まった。
ところが妻の母との顔合わせを前に、3人きょうだいの長男である夫の家族から婿養子は難しいのではとの声が上がった。ホテルでのランチ当日、夫は「婿養子は難しいけれど、妻の家族とお墓は大事にします」と伝えた。妻すら初耳の方針変更だったが、母は穏やかに「婿養子の件はいったん置いて、お付き合いしてみたら」と応じた。ところが解散して母娘2人きりになった途端、妻に放った本音は「もうアイツはないわ」であり、「クネクネしやがって」とまで言われていたことが明かされ、スタジオは騒然となった。
結婚への道が閉ざされた中、ある夜、夫から「僕から結婚しようとは言わないよ。でも、妻が僕と一緒になりたいと思ったら、その時はいつでも行くから!」というメッセージが届く。妻は思わず「そこまで言うなら奪いにきてよ」と返すものの、わずか5秒で送信取り消しをした。しかし夫はすでに読んでおり、「今から行くけん、待っとって」と電話すると、すぐ車で妻のもとへ向かい、2人は再び妻の母に向き合う決意を固めた。
そんな2人に妻の母が提示したのは、「3年間同棲して、それでも一緒にいられたら本物」という条件であった。しかも母自身は「絶対持たないと思った」とあっさり明かした。最初こそ、実家暮らししか経験のなかった夫が家事分担に戸惑い、「一緒に生活して楽しいはずなのに、全然気持ちが休まらない」と感じる時期があったものの、暮らしを重ねるうちに互いの気持ちへ寄り添えるようになり、約束の3年間を見事にやり遂げた。
3年後、2人は改めて妻の母に結婚のあいさつをし、夫が「僕が幸せにします。娘さんをください」と伝えると、ついに「はい、お願いします」と返事が返ってきた。母いわく、「(心の)開店ガラガラを、ちょっとずつ開けていこう」という気持ちになったのだという。嬉しさのあまり涙した夫は母と握手するが、その“和解の瞬間”を収めた写真の場所はまさかの駐車場であり、藤井も「いや、駐車場やん!」と大笑い。こうして妻の母にも認められた2人は、今年3月に結婚し、6歳上の“高嶺の花”を追い続けた夫の初恋はついに実を結んだ。
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