
台風30号が15日に発生しました。30号は13年ぶりです。今後、非常に強い勢力に発達する見込みで、来週の後半以降、日本に近付く可能性があります。異例のペースで発生している今年の台風ですが、その原因とされているのがエルニーニョ現象です。記録的な豪雨やハリケーンなど、影響が世界各地に広がっています。
【画像】容赦なくのみ込む…南米チリの首都サンティアゴで発生した土石流
台風30号 日本へ影響は?
日本の南側では15日、新たに台風30号が発生。この後、西へ進み、非常に強い勢力に発達する見込みです。
1年間で発生する台風は平均25個という中で、30号が発生したのは2013年以来13年ぶり。2013年11月に発生した台風30号はフィリピンに上陸し、多数の死者を出しました。
今回の台風30号の各国の予測シミュレーションでは、ばらつきが大きくなっているものの、今後、北東に進路を変えた場合は日本列島に影響する恐れもあります。
三重大学大学院 立花義裕教授
「“スーパーエルニーニョ”は過去に何度もありましたけど、過去最大級の“スーパーエルニーニョ”なので、より多く(台風が)発生すると思う」
このスーパーエルニーニョが世界で猛威を振るっています。
自然の猛威 チリで土石流
街に流れ込んだ土石流。次々と車を押し流していきます。
自然の猛威は、容赦なく人やイヌをものみ込もうとしていました。
記録的な豪雨に見舞われた南米チリの首都・サンティアゴ。先週、長く降り続いた雨の影響で土石流が発生。街中にまで押し寄せました。
なすすべなく土石流に巻き込まれる車。走ることも止まることもできずに流されていきます。
トラックの荷台にしがみついたまま、流されていく男性。しかし、この直後、トラックは木に引っかかり、男性は木に移りました。
土石流が流れ去った後に残ったのは一面の泥。住宅も車も泥に埋もれています。
首都機能のまひしたサンティアゴでは、少なくとも6人がけが、1万2000世帯が停電したということです。
原因は76年ぶり記録的大雨
この土石流の原因となったのが、サンティアゴ周辺で降り続いた76年ぶりの記録的な大雨です。
濁流となった川では、1匹のイヌが取り残されているのが見つかり、消防や警察の特殊部隊が出動する騒ぎになりました。
ロープを投げたり手を伸ばしたりして救助を試みますが、なかなかうまく捕まえられません。
近隣住民
「イヌが水門を越えて流されたのは、本当につらかった。あの水門付近はとても危険なんです」
多くの人が諦めかけたその時…。
「あれ?イヌがこっちに来たぞ」
突然、目の前に現れたイヌに、様子を見守っていた住民や報道陣も大慌て。イヌは自力で川からはい上がってきたのです。
軽いけがをしているものの、無事保護されました。
次々と異常な天候 原因は
サンティアゴ周辺の住宅地も一面、茶色の水にのみ込まれていました。
孤立した住民の救出に向かう警察のヘリコプター。着の身着のままで、ヘリコプターに救助されていく住民たち。この日、17人をヘリで救助したということです。
記録的な大雨による被害が収束しない中、14日、新たにサンティアゴの街を襲ったのはひょうです。
不安定な大気が激しい雷雨となり、一時は4万軒を超える停電が発生。チリの国家防災対応庁は、首都圏全域に最も警戒レベルの高い警報を出しました。
豪雨、土石流、ひょうと、わずかな間に次々と異常な天候に見舞われたチリ。原因は何なのでしょうか?
立花教授
「これはスーパーエルニーニョの影響だと思う。普通の年は、あのエリアの水温は低い。いきなり海面水温が5℃も6℃も高くなってしまうと、平年は積乱雲が発生していない状態から、いきなり(積乱雲が)発生してしまうので、激しいひょうが降ったり、豪雨が降ったりする」
実はこのスーパーエルニーニョ、まだまだ警戒が必要なのだといいます。
「水温が上がれば上がるほど、風がスーパーエルニーニョの水温の高い所に集まってくる。そうすると、ますます温度を高める。お互いがお互いを強めている。人類が一度も経験したことのないほど水温が高いので、いつ終わるか分からない」
被害深刻 世界で異常気象
スーパーエルニーニョの影響は、アメリカでも出ています。
9日、東海岸のフロリダ州に上陸したハリケーン「イサイアス」。建物の屋根は、めくれ上がるように吹き飛ばされました。
このハリケーンで強風や大雨による倒木や建物の倒壊などの被害が各地で発生し、少なくとも4人が死亡しました。
ハリケーン通過後、部屋の中には物が散乱。屋根が完全に剥がれ、中がむき出しの状態になっていました。
周辺には、吹き飛ばされたとみられる屋根が、そのままの形で残されています。
11日には西海岸のカリフォルニア州で、ハリケーン「レイチェル」から変わった熱帯低気圧により高波が発生しました。
住宅に何度も打ちつける高波。西海岸屈指の人気エリア・ロングビーチの砂浜は見えなくなり、建物は大きく傾いていました。
このエリアは先月もハリケーンによる被害を受けたばかりで、復旧作業中に再び高波に襲われました。
世界最大級の滝を襲う豪雨
茶色く濁った水に覆われているのは、世界三大瀑布(ばくふ)の一つ・イグアスの滝です。
ブラジルとアルゼンチンの国境をまたいだ位置にあり、雄大な景色を楽しめる世界遺産。川幅最大3.7キロメートルの中を流れる世界最大級の滝です。
そんなイグアスの滝を襲った豪雨。水量は普段のおよそ8倍となり、ごうごうと音を立てながら流れる滝。毎秒1180万リットルもの水が流れ、今にも遊歩道をのみ込みそうな勢いです。
当局は観光客の安全を確保するため、滝つぼに近付ける遊歩道を立ち入り禁止にしました。
アマゾンで森林火災が発生
ブラジルのアマゾンでは、森林火災が発生。木々はじわじわと焼かれ、炎は住宅にも迫ります。
大量の二酸化炭素を吸収するなど、地球環境に不可欠な役割を果たしているアマゾン。その森一面が焼け野原になりました。
火災現場の近くに住む男性
「この地域には消防車が1台あるだけで、消防隊員も3、4人しかおらず、彼らにもできることは限られています。給水車さえありません。これが私たちの置かれている状況です」
住民の間では煙が周辺地域に広がるなど、健康への悪影響を懸念する声が上がっていて、当局は非常事態を宣言しました。
原因について、ブラジル環境省は放火の可能性があるといい、エルニーニョ現象により燃え広がっていることを指摘しました。
EUの気象情報機関は12日、エルニーニョ現象の影響で太平洋の海面水温が先月、過去最高の29.7℃を記録したと発表。今回のエルニーニョ現象が異例の強さであることを裏付けているとしました。
(2026年10月16日放送分より)
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