ナチ指示のプロパガンダ作品と、収容者が命がけで隠し描いた暴行スケッチや肖像画… サンド伊達が感じた筆圧の「怒り」

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 最初に目にしたのは、たくさんの色を使って緻密に描かれた油絵だった。伊達が「すごく上手なんだよ、これ。油絵ですよ、油絵」と感心すると、アウシュビッツ博物館学芸員のシェラツカさんは「ここには、収容者の方々が描いたアート作品などが保管されています。これはプロパガンダ芸術の1つで、収容者たちはナチの指示通りに絵を描かされていました」と説明した。囚人服や強制労働、虐待などを描くことは許されず、「アウシュビッツ内で何も悪いことが起きていない」という嘘の宣伝に利用されたという。伊達は「絵も嘘つけって言われたんだ…本当の絵、描きたかっただろうけどね。でもまあそれもきっと生きるため…なんだろうな」とつぶやいた。

 一方、別の壁には収容者が自らの意思で描いた作品が並んでいた。伊達は「全然違いますよね。向こうは描かされた絵、こっちは自分の意思で描いた絵ですから」と見比べ、遺体が燃やされる様子などが鉛筆で細かく描かれたスケッチを前に「これはリアルだよね」と語った。富澤も「まあ、もう目に焼き付いてんだろうね、完全に」と話した。

 ナチの兵士が女性収容者に暴行を加えようとしている場面を見た伊達は「ちょっとこの、ナチ・ドイツの服着た人たちの黒がすごい濃いね。筆圧が強いっていうか。もう怒りなんでしょうね、もしかしたら」と、描いた人の感情を推し量った。ここにはナチの看守たちに隠れて描かれた絵も残されており、嘘偽りのないアウシュビッツの惨状がはっきりと描かれているほか、自分たちの生きた証を記すような肖像画も数多く残されている。隠れてでも絵を描くことは、絶望的な生活の中で、命令ではなく自らの意思によって行える、ほとんど唯一の行動だったとされているという。

 並んだ作品を見た伊達が「肖像画が多いね。よくでも保存されてたよね」と驚き。シェラツカさんは「収容所で人々は、名前も持っていた物もすべてを失いました。そして名前のある人間ではなく、“番号”として扱われるようになったんです」と説明し、「だからこそ、自分自身のアイデンティティーを取り戻すために、多くの肖像画が描かれました」と明かした。伊達は「でもこんなの見つかったら、大変だったわけですよね。本当にギリギリの状況で描いてるわけですよね」と語った。番組では、こうした絵は惨状を明らかにし、後世に伝えるため、そして自分たちの人間としての尊厳を守るためのもので、芸術こそが彼らの抵抗の表現そのものだったと考えられていると伝えた。

 スタジオでは伊集院光が「生き延びられなかったとしても、なんか“描かずにはいられない”っていう感じっていうのかな」とコメント。「誰にも見てもらえないかもしれないけど、描かずにはいられない感じ。その人が本当に、自分は自分だと思うためには、多分絵の得意な人は、描かずにはいられなかったんだろうと思う」と語り、「不真面目な話じゃなくて、サンドウィッチマンだったら“ネタを作らずにはいられない”のかもしれない」「俺はお喋りが好きだから、何かそういうこう、何かを探してお喋りをしなきゃいられない、みたいなものが、自分は恵まれた中でちゃんと持っていられるか、みたいなこと、をすごく思いますね」と話していた。
 

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