
モンゴルの自然保護区で火災が発生し、東京都の2倍を超える面積が燃えました。この大規模な火災は、日本の通信大手、KDDIのグループ会社幹部らが乗った車が原因とされています。
【画像】「国民の怒りは頂点に」日系企業の車から出火か…モンゴル自然保護区で大規模火災
日系企業トップが謝罪

黒く焼け焦げた大地。本来は豊かな植物や希少な動物たちに恵まれた土地でした。モンゴル東部にある『ヌムルグ自然保護区』で今月8日、大規模な火災が発生。1週間以上燃え続け、自然保護区の約8割を焼き尽くしました。
出火の原因に批判が集まっています。

モンゴル ノムトイバヤル副首相
「謝っただけでは許されない」
謝罪したのは、モンゴルで通信最大手の日系企業『モビコム』の越智康博CEOです。

モビコム 越智康博CEO
「自然環境に被害が生じたことを深く深くおわびするとともに、モンゴル国民の皆様に改めておわびを申し上げたいという気持ち」
「モンゴル国民の怒りは頂点に」

火災が発生した日、越智CEOを含むモビコムの幹部3人らの一行が、ヌムルグ自然保護区を訪れていました。国境警備機関によって厳重に管理されているため、一般の人は簡単に立ち入れません。地元メディアによると、一行には元国会議員の弟らが一緒で、1人の司令官の許可のみで入っていったようです。愛好家にとって幻の魚。絶滅危惧種の『アムールイトウ』を釣る計画をしていたとも報じられています。
ちょうど、その日、保護区を取材していた記者が火災に遭遇していました。

保護区で取材していた スレン・デルゲル記者
「許可をもらうのに、私たちは1年半かかりました。馬を引っ張って川を渡ることになりますが、2つの川を渡って、振り返ると火が出ていました」

草が車のマフラーに絡まって火が出たとみられ、ナンバーも分からないほど燃え尽きています。

保護区で取材していた スレン・デルゲル記者
「避難する時に見えたのですが、押し寄せた火から逃げた動物が中国側に行きました。無事でいてほしい。国民の怒りは頂点に達しています。最大の関心事です」
「通信試験の実施が目的」と説明
国の財産が失われた緊急事態に、政府も動きます。

自然環境・気候変動省 サンダグオチル大臣
「火は消し止められた。これからが自然環境省の仕事だ。回復できるものも、回復不可能なものもある。どれだけが犠牲になり、どれほどの貴重な植物が消滅したのか。森林・水源など損失の状況を報告書にする」
モンゴル政府は、関係した人物に損害賠償を求める方針を示しました。


トナカイやオオカミ、鳥たちが暮らしていました。固有の植物も生息していましたが、もう復活できないと、研究者らは肩を落としています。10月は乾季で、火が出れば瞬く間に燃え広がります。保護区を映した衛星画像では、大地から煙のようなものが広がっているのが分かります。鎮火後には焼け跡が。人は住んでいませんが、東京都の2倍を超える範囲が燃えました。

親会社のKDDIは「国境警備機関に事前に通知していて、当日は定められたルートに従い移動しています」と説明し、その目的については「4Gネットワークの通信試験を実施するためと聞いていますが、当局による調査を待っており、現時点での回答は控えさせていただきます」としています。
