フーシ派の攻撃激化 中東の大国・サウジアラビアがなぜ防衛に苦戦? 世界経済への影響は

フーシ派の攻撃激化 中東の大国・サウジアラビアがなぜ防衛に苦戦? 世界経済への影響は
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 中東・イエメンの親イラン武装組織フーシ派とサウジアラビアとの戦闘が激しくなっている。フーシ派は石油施設や空港を標的に攻撃を繰り返し、サウジアラビアは防衛に苦戦しているという。サウジアラビア経済が大きな打撃を受ける中、日本や世界への影響は?

【画像】親イラン武装組織フーシ派とは

親イラン武装組織フーシ派とは?

 まずは、フーシ派について見ていく。そもそもフーシ派とはどのような組織なのか。

フーシ派とは?
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 フーシ派はアラビア半島の南端にある中東イエメンの北西部を拠点とするイスラム教シーア派の一派の武装組織。正式名称はアラビア語で「アンサール・アラー」、神の支持者という意味。1990年代に結成された。現在の指導者はアブドルマリク・フーシ氏。

 フーシ派は、首都サヌアを含む国土の約3分の1を支配している。その支配地域には人口の約7割にあたる、約2800万人が暮らしている。日本も承認しているイエメンの暫定政府とは対立関係にある。

周辺国も巻き込む構造に
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 そして、この対立は周辺国も巻き込む構図になっている。そもそも2011年に始まった、民主化運動「アラブの春」を機に、イエメンの長期独裁政権が倒れ、スンニ派が主導した暫定政府が成立。これをスンニ派の大国サウジアラビアが支援した。一方、フーシ派は大国イランからの支援を受けている。

 2014年に内戦が激化しサウジアラビアとイランの代理戦争の様相を呈し、2022年、国連の仲介で停戦合意が成立した。

 しかし、今年7月以降、双方の攻撃が激化。9月にはフーシ派がホルムズ海峡の代替ルートになっていた、紅海にあるバブエルマンデブ海峡周辺の制圧を主張するなど攻勢を強めてきた。

中東の大国サウジ なぜ防衛に苦戦? 

 なぜ中東の大国サウジアラビアが、防衛に苦戦しているのか?双方の軍事力を比較していく。

サウジアラビアとフーシ派 それぞれの軍事力
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 サウジアラビアの軍事力は、ストックホルム国際平和研究所によると、去年の軍事費は約13兆円に上り、世界8位。兵力は準軍事組織を含め、約28万人以上(2023年)となっている。一方、フーシ派の軍事力をみてみると、戦闘員は2015年時点で約3万人だったが、おととし時点では、約35万人と10倍以上になっている。

 またロイター通信によると、イランはフーシ派が兵器の製造・運用面で自給自足できるよう支援しているという。

 イギリスの調査機関の報告では、フーシ派は中国の業者が輸出した部品を使い、高度な中距離弾道ミサイルの製造を試みていたと指摘。米アンソロピックによると、自社のAI「クロード」を利用し、ミサイルのソフトウェア開発をフーシ派が進めていたという。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サウジアラビアは米国製の最新鋭の戦闘機や防空システムを保有しているが、フーシ派の攻撃を防ぐ迎撃ミサイルが不足している状況で、広い国土に散在する空港や石油施設をすべて守ることは困難だという。

イランが仲介を提案 狙いは?

 この状況を周辺国はどのように見ているのか。イランが動きを見せているという。仲介を提案したというが、どんな思惑があるのか。

イランが仲介を提案の狙いは?
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 ロイター通信によると、イランのアラグチ外相は20日放映のテレビインタビューでサウジアラビアとフーシ派の戦闘終結に向けた協議の仲介を申し出たと発言した。

原油の供給回復も…コスト増が深刻化

 実は中東からの原油の供給が回復しつつある一方で、輸送コストの増加が深刻化している。

中東からの原油“回復傾向”も…
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 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、調査会社ケプラーの報告で今月12日から18日の中東産油国の原油輸送量は1日平均で戦闘開始前を上回った。また、ホルムズ海峡経由の輸送量も戦闘開始前の水準の82%まで回復しているという。

 回復を支えているのが、シャトル船によるホルムズ海峡でのピストン輸送だという。まずシャトル船がペルシャ湾内で原油を積み込み、イランの監視や攻撃から逃れるため船舶自動識別装置を切ってホルムズ海峡を通過。その後、海峡の外側にあるオマーン近海で、遠方に向かう大型タンカーに積み替えるという。

 ただ、イギリスのフィナンシャル・タイムズによると、危険の代償として破格の危険手当を提示しているという。

 ホルムズ海峡を通過するタンカーの船長への月額報酬は約240万円から、約1580万円に急騰しているという。

 そして紛争海域を通過する貨物の運賃も高騰している。去年は1日当たり約300万~800万円だったが、10月上旬には約2億円に高騰したという。

高騰する原油価格 今後は? 

 こうした中、原油価格の高止まりが続いている。

ニューヨーク原油先物市場 WTI先物価格
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 ニューヨーク原油先物市場のWTI先物価格の推移をみてみると、今月に入り、一時1バレル=100ドルを超えて価格高騰が続いている。米・エネルギー情報局(EIA)は世界の原油価格予測として、今年末まで高い水準で変動が続く可能性があると指摘している。

(2026年10月22日放送分より)

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