
実際に住むことが条件となっている、長期固定金利型住宅ローン「フラット35」で融資を受けながら、無断で民泊の場にしていた事例が25件確認されました。民泊を運営していた女性が取材に応じました。
【画像】「すばらしいロケーション」1泊6万4000円 民泊の予約サイト
「フラット35」で無断民泊
一戸建てのドアの前に民泊の表示が貼られています。全館禁煙という表示もあります。日本語、英語、中国語、韓国語で書かれています。
池袋駅から徒歩10分ほど、静かな住宅地にたたずむ、3階建ての民泊。予約サイトを開いてみると、「すばらしいロケーション」「丸ごと貸し切りの宿」「売り切れる前に今すぐ予約」という文字が並びます。
ベッドルームは全部で4室、1泊の宿泊料金は税金手数料込みで6万4000円です。
2020年に新築された、こちらの物件。登記簿を確認すると、「住宅金融支援機構」の抵当権が設定されています。
利用されたのは、住宅ローンの「フラット35」とみられ、8000万円の融資が実行されていたことが分かります。
近所の人
「(Q.元々は誰かが住んでいた家だった?)最初は普通にご家族が住んでいたと思います」
「(Q.お家で民泊やっているのはご存じ?)知っています。トランクで移動していくので。朝とかトランクを出して、ガーッと引っ張ろうとしている時も」
「(Q.ガラガラガラと?)そうそうそう」
不適正な契約 25件
「フラット35」は、本人や親族が居住する住宅であることが融資の条件です。民泊や旅館業などへの転用は、「不適正利用」にあたります。
この民泊の運営者が、22日に番組の取材に応じました。
管理運営者 B氏
「フラット35で融資を受けた物件だとは私も知りませんでした。きのう(オーナーの)Aさんに電話して尋ねたら、最初は『フラット35を利用しているか』答えなかったんですが、問い詰めたら、『利用している』と認めました」
運営者のB氏によると、「フラット35」でローンを組んだのは、中国籍のA氏。その後、同じく中国籍のB氏が管理運営を任され、去年、東京・豊島区へ民泊の届け出を行い、営業を続けていました。
会計検査院は20日、住宅金融支援機構の「フラット35」で不適正な契約が確認されたと公表しました。
都心部にある戸建て住宅のうち、2023年度と24年度に融資を受けたおよそ1万件から一部を抽出し調査したところ、25件、合わせて13億円分の融資が民泊や旅館業に転用されていたことが分かりました。
住宅金融支援機構のホームページ 20日発表
「当機構において既に債務者に対して一括返済を求めるなど厳正に対処しました」
「物件の間取り図を確認するなど、居住に関する要件の審査を強化します」
運営者を直撃
一方で、会計検査院は、利用者がフラット35を申請する時点で、すでに物件が民泊に登録されていた事例や、利用者の勤務先が民泊事業者だった事例に注目。「融資時の審査でリスクを把握できたケースもあった」と指摘しています。
番組が取材したフラット35の民泊運営者は、不適正利用に気づくことはできなかったのでしょうか。
B氏
「(フラット35利用者の)Aさんは友人から紹介され、面識はなく、チャットと電話で話しただけ。仕事が忙しいらしく、直接会うことはなかった」
「Aさんは日本の永住者で、在留カードを持っています。何十年も日本に住んでいるので、ルールに関しては詳しいと思っていたんですけどね」
フラット35は、日本国籍の人のほか、永住許可を受けている外国籍の人も申し込むことができます。
「Aさんは、年収などを見る限り経済的に豊かなので、わずかなお金のためにリスクを冒すとは思えません。Aさんは経営者ではなく、とてもいい会社に勤めているようです」
22日の時点でA氏の所有する3階建ての民泊は予約できない状態になりました。
「このまま民泊として利用するのはまずいということで、きのうAさんの物件は、民泊廃業の届けを出しました」
さらにB氏は、この1年の日中関係の冷え込みで客数が激減していることから、今後、日本での民泊事業から撤退すると話します。
「観光客が激減しました。運営を任されている物件も整理していて、2~3年以内に会社もたたむ予定です」
(「グッド!モーニング」2026年10月23日放送分より)
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