
バブルの崩壊とともに次々と閉鎖されていた回転レストランですが、昭和レトロブームの影響もあり、今、若者が続々と訪れて劇的な復活を遂げている所もあるということです。
【画像】京都タワーや世界文化遺産・西本願寺など360度見渡せる回転レストラン
回転喫茶店の人気再燃
山の上からの景色を楽しめる喫茶店。その最大の特徴は…回っていることです。今は懐かしい回転喫茶店です。
店内のテーブルを埋め尽くすのは多くの若者。食べ物を注文するカウンターには、順番待ちの行列もできていました。
ここは、神戸市の須磨浦山上遊園の中にある「まわる喫茶室 コスモス」(1958年開業)。休日は連日、満席になっています。
標高250メートルほどにある喫茶店は、55分をかけて1周。椅子に座ったまま、刻々と変わっていく目の前の景色。神戸市の街並みや明石海峡大橋、淡路島など、さまざまな眺望を楽しめます。
加古川市から来た客
「新鮮な感じです」
「回っているから面白い」
「自然もあって、結構見晴らしが良いんで」
岡山から来た客
「初めて来たので、自分も。回転するカフェは。なかなか味わえないですよね、やっぱり」
昭和象徴・回転レストラン
日本で最も古いと言われている回転する施設は、1957年に竣工(しゅんこう)。
当時は眺望を楽しむ展望台がメインでしたが、日本各地のビルの最上階などに次々と建設され、その後、回転しながら食事を楽しむレストランや喫茶店も登場しました。
高度経済成長期を背景に人気となり、昭和の象徴となった回転レストランは、最盛期には全国で50カ所ほどあったといいます。
回転レストランに詳しい関西大学の永井良和教授はこう話します。
「単にレストランで食べて風景がいいというだけでなくて、その風景が360度、自分は動かなくても建物が動いて見せてくれるということが、ぜいたくの上にぜいたくを重ねるような感じで、結構人気を博した」
しかし、バブル崩壊後に相次ぎ廃業。現在では、通年で稼働をしている施設は全国でわずか4カ所にまで減少しています。
昭和レトロブームで若者が
維持するのに大変なのが、最大の特徴である喫茶室を回転させる装置。メンテナンス費用が経営圧迫の大きな要因になっています。
須磨浦山上遊園 田村将樹主査
「モーターの巻き替えと減速機のオーバーホール。車輪120個の交換工事の関係で、約1000万円かかっております」
収入減少と莫大(ばくだい)なコスト…。そんななか、思わぬ追い風が吹きました。
「2年ぐらい前から昭和レトロブームが始まりましたので、それがきっかけかなというふうに思います」
「(Q.若者がSNSなどに?)そうですね。(SNSに)上げていただいて、今度は違うお客様が見て、ここに来ていただくという」
ここで提供されるのは、ピザトーストやホットドッグなど昭和の香り漂う喫茶メニュー。高知から来たという2人は、料理がテーブルの上に並んでも、なかなか食べようとしません。
「(Q.食べないんですか?)写真を撮るのに、海が来るのを待っています」
「(Q.景色を背景に撮りたいから、食べずに待っているんですね?)そうです」
今では珍しい回転する喫茶店とSNS映えを求める若者たちを中心に、多い時では一日におよそ300組が来店するまでになりました。
回転する飲食店に足を運んでいるのは、若者だけではありません。
京都一望 20年通う夫婦
常連客が通い続ける回転レストランが京都にあります。
リーガロイヤルホテル京都の最上階は、日本で唯一の回転するフレンチレストラン(1969年開業)。
駅前に建つ京都タワーや世界文化遺産に指定されている西本願寺など、京都ならではの景色や街並みのほか、間近に走る東海道新幹線など1周90分かけて360度見渡せるのが大きな魅力です。
京都を一望しながらフランス料理を堪能でき、57年もの間、地元の人に愛されています。
京都市内から来た夫婦は、20年以上通い続けているといいます。
「およそ200周は最低していますね。毎日、景色は本当は違いますけど、曇りとかね。小雪の時もありましたし、きれいな雪がね」
今では幅広い層に人気
天気や季節によって変化する京都の街並みを楽しんでいるという2人。ここで撮影してもらった写真を大切に保管していました。
「記念日、誕生日とか、この人(妻)の誕生日で子どもの誕生日とかということでずっと写真を撮ってもらって。今ちょっとこのぐらいたまっているのでね」
「(Q.何枚ぐらいあるんですか?)50枚ぐらいですね」
誕生日や結婚記念日などには、スタッフが写真を撮影しプレゼント。半世紀以上にわたり、思い出作りに一役かってきた回転レストラン。今では20代から80代まで、幅広い層に人気です。
フレンチダイニング トップオブキョウト
山田ふみ子マネジャー
「ご年配の方になられますと、懐かしんでいただけることもございます。若い方になりますと、珍しいという感じで驚いていかれる方も多数おられます。しっかりメンテナンスを続けさせていただいて、こういった空間を今後もお届けできればなと思っております」
(2026年10月22日放送分より)
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