■「もっと早く離婚してほしかった」と「揃っていてほしかった」
幼い頃から両親の不仲を見て育ち、「もっと早く離婚してほしかった」と語る佐藤さんは、家庭内の重苦しい空気を振り返る。「父親が物に当たる姿を見たくなかった。中学生になると夫婦ゲンカは減ったが、お互い何も喋らない家庭内別居状態になり、息苦しかった。いっそ離婚して別々に暮らした方が気持ちが楽だった」と明かす。経済的な理由で母親が離婚に踏み切れなかった背景があり、「もし事情が許せば早く離婚してほしかった」と当時の思いを口にした。
一方、両親に「揃っていてほしかった」と語る應武茉里依さんは、不仲であっても家族の形を求めていたという。「友達が家族旅行やバーベキューをしているのが羨ましかった。違う価値観でも向き合って仲良くやっていくために対話する姿を、背中で見せてほしかった」と寂しさをにじませる。
こうした当事者の声に対し、自身も親の離婚を経験したパックンは、「結婚という制度はそもそも人間の衝動を抑えるためのものだ」と持論を展開。「簡単に離婚できるようになると、経済的に不利な弱者が守られなくなる可能性もある」と懸念を示した。続いて、「夫婦ゲンカをしている人たちが、初めて専門家を入れるのが離婚する段階なのか。だったら、その前に一度専門家を挟んでカウンセリングを受けてみてはどうか」と、離婚を決断する前に夫婦関係の改善を図る選択肢も提案した。
同じく親の離婚を経験したコラムニストの小原ブラス氏は、「うちの場合は母が再婚して幸せになり、その時の離婚がなければ今の自分はいない」と自身の経験を語る。さらに、「社会の風潮が『離婚は悲しいこと』としているから、子どもにその空気が伝わってしまう。もっと『あるある』になれば、悲しむ子どもは減るのではないか」と異なる視点を提示した。
■子どもにとっていい離婚、夫婦の関係性とは?
