混迷のイスラエル総選挙 ネタニヤフ政権に逆風? 勝敗のカギは「アラブ系政党」

混迷のイスラエル総選挙 ネタニヤフ政権に逆風? 勝敗のカギは「アラブ系政党」
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 日本時間27日に迫るイスラエル総選挙。長期政権を築いてきたネタニヤフ首相に、逆風が指摘されている。

【画像】アイゼンコット氏の政権交代の実現案とは?

 アメリカとの不協和音も指摘される中、トランプ大統領はネタニヤフ首相への支持を明言している。

予想獲得議席 与党50、反与党56

「連立政権」が伝統的な形
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 まずは、「イスラエル総選挙の仕組み」と「各党の予想議席数」について。

 イスラエルの総選挙は、国会にあたる「クネセト」の全120議席が改選され、有権者は政党に投票する完全比例代表制となっている。議会の過半数は61議席だが、過去に単独で過半数を得た政党はなく、複数の党で内閣が構成される「連立政権」が伝統的な形となっている。

 イスラエルメディア「N12(24日)」が発表した世論調査に基づく「予想獲得議席」では、ネタニヤフ首相率いる右派の「リクード」が11議席減らし21議席、そして「リクード」を含む与党勢力は50議席程度になると予想されている。

 一方、これに対抗するのが、去年結成されたアイゼンコット氏率いる中道の「ヤシャル」だ。

 現在、議席はないが、23議席獲得すると予想されていて、「ヤシャル」との連立が見込まれる政党を合わせると56議席とみられている。

 「ヤシャル」側がリードしている情勢だが、ただ、どちらの陣営も過半数の61議席には届かない見込みで、その場合、14議席前後を獲得するとみられる「アラブ系政党」がカギを握るという。

信任投票で「棄権」検討

アイゼンコット氏の政権交代の実現案
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 このカギを握る「アラブ系政党」とは、どういった政党なのか。

 今回の選挙で候補者を擁立しているアラブ系政党は「ラアム」と、複数のアラブ系政党による連合体でもある「共同リスト」の2つ。いずれも、現在のネタニヤフ政権に批判的な立場をとっており、これらのアラブ系政党が「ヤシャル」などと“反ネタニヤフ”でまとまり連立を組めば過半数となり、そのまま政権樹立となる可能性がある。

 ただ「ロイター通信(19日)」によると、「ヤシャル」党首のアイゼンコット氏は「いかなるアラブ系政党とも連立しない」としていて、その理由としてアイゼンコット氏は「アラブ系政党はハマスをテロ組織と呼ぶことを拒否した」などと主張しているという。

 では、アイゼンコット氏は、どのように政権交代を実現しようとしているのか。

 「タイムズ・オブ・イスラエル(9月15日)」は、アイゼンコット氏は総選挙で過半数に達しなかった場合、「新政権への信任投票でアラブ系政党に『棄権』してもらうことで、少数与党の政権を発足させる案を検討している」と報じている。

 イスラエルでは選挙後、大統領に指名された議員が連立交渉を進め、最終的に議会で信任投票が行われ、そこで「賛成票」が「反対票」を上回れば新内閣が成立するという。

 先ほどの予想議席で見ると、仮にアイゼンコット陣営が「連立」を組んで信任投票に臨んだ場合、14議席あるアラブ系政党が「反対」せず「棄権」すれば、アイゼンコット陣営56対ネタニヤフ陣営50ということになり、アイゼンコット内閣が成立することになる。

主要2政党 党首の主張は?

アメリカとの間に不協和音が生じているが…
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 政権交代の可能性も指摘されているイスラエル総選挙だが、外交はどうなるのか。主要2政党の党首の主張を比較していく。

 まずは、ネタニヤフ首相。国内の右派支持層を固めるため、安全保障面で強硬路線を貫き、ヨーロッパ諸国と対立しているほか、同盟国アメリカとの間に不協和音が生じているという。

 イギリスの「フィナンシャル・タイムズ(21日)」によると、ネタニヤフ首相は今月、イランへの大規模な再攻撃を計画したが、トランプ大統領がアメリカの中間選挙前の戦闘再開に反対して頓挫するなど、両者に温度差があるという。

 一方のアイゼンコット氏は、イランに対する強硬姿勢という点ではネタニヤフ首相と大きな違いはないが、「エルサレム・ポスト(19日)」は、アイゼンコット氏はネタニヤフ政権下で悪化したヨーロッパ諸国との関係修復を重視するとみられていると報じている。

トランプ大統領 ネタニヤフ首相支持を明言

支持の文面案まで提案したという
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 こうした中、トランプ大統領はSNSでネタニヤフ首相の続投を「完全に支持する」と表明し、その理由としてイランを再攻撃する可能性に触れ、「ネタニヤフ首相ではない“間違ったリーダー”が首相に就任すれば、アメリカが単独で実行しなければならなくなる」と主張している。

 これに対してネタニヤフ首相は、さらなる支持を要請したのではないかとも報じられている。

 アメリカのニュースサイト「アクシオス(25日)」は、アメリカの情報筋の話として、ネタニヤフ首相がトランプ大統領に自身への支持を改めて強調するよう求めて、その文面の案まで提案したと報じている。

 こうした動きが関係しているかは分からないが、日本時間26日午前には、トランプ大統領がSNSに、改めてネタニヤフ首相の続投を支持するといった内容の投稿を行っている。

バンス副大統領 態度表明避ける理由

バンス氏 2028年大統領選への出馬を念頭に?
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 トランプ大統領がネタニヤフ首相の続投を支持する一方で、アメリカのバンス副大統領は態度を明らかにしていない。

 バンス副大統領は、これまで外国の選挙をめぐって右派の政治家や極右政党などへの支持をたびたび表明してきたが、19日、「(ネタニヤフ首相の再選に)反対でも支持でもない。イスラエルの選挙に関与するつもりはない」と話すなど、再選支持を明言しなかった。

 なぜ、今回に限って態度の表明を避けているのか。

 20日、「CNN」の上級政治記者コリンソン氏は、バンス副大統領の言動の狙いについて、共和党支持者に「アメリカがこれ以上外国の戦争に関与すべきでない」という考えを思い出させることにあるといい、これは共和党の一部が強く支持する考え方であり、2028年の大統領選出馬の可能性を念頭に置いた発言だと指摘している。

ネタニヤフ首相「雨の日にも備え…」

トランプ政権後を見据え…
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 こうした中、ネタニヤフ首相は、アメリカに頼らない防衛体制づくりも進め、トランプ政権後を見据えているようだ。

 ネタニヤフ首相は、イスラエルメディア「チャンネル10(23日)」の番組での発言の中で、アメリカからの軍事支援が将来も続くとは限らないとの見方を示し、トランプ大統領の退任後を見据えて「雨の日にも備えなければならない」と弾薬など武器の生産面で独立性を高める考えを強調している。

(2026年10月26日放送分より)

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