——『アオアシ』では試合のなかで通じ合うように、役者としてもアフレコのなかで演技として感情をどのように表現して繋げていくのかという。そこは非常に普遍的な部分だと感じました。
内山:でも、作品の広がり方は変わりつつあるなと感じているんです。SNSから多くの情報を得るようになって、アニメも(本編の映像を用いた)切り抜き動画がいかに回るのかというようなことが作品を宣伝する上で大きくなっていて。
声優の表現としてこのキャラクターは(それまでの展開の感情の)流れとしてここは派手にやらないけれど、ここは(宣伝として)切り抜きたいシーンだろうから派手にカッコよく決めたほうがいいのかなと考えたりもして。
榎木:ああー。そうね。
内山:(切り抜き動画を前提とした表現をすることは)キャラクターの心の流れとしては自然にそうはならないし、演者として、演技として正しいかどうかはわからないです。でも僕はたくさんの人に見てもらいたい、作品は広まったほうがいいと思っているので、あえてカッコよくやろうということが頭のどこかにはあるかもしれない。
榎木:切り抜き用のお芝居もどこか意識しているというか。
内山:(SNSを通じた切り抜き動画が)この数年の作品の新しい広まり方として、「切り抜きをしたときに映えたらいいな」っていう手法は、10年前15年前にはなかった視点だったと思うんです。
今は(切り抜き動画の)5秒でその人に刺さるのかどうかで作品の広まり方も変わってくるかもしれない。作画や演出の方も同じように考えているかもしれませんが、そこは演者としても考えますね。
アフレコ時に声優が役者としてどのようなことを考えて演技をしているのか。その一端を垣間見ることができたインタビューとなった。時代の流れで変わる作品の広がり方も考えていかねばならない葛藤を抱えつつも、いかによりよい表現を役者同士で模索しているのか、感じることができたのではないだろうか。
取材・テキスト/kato
(C)小林有吾・小学館/「アオアシ Season2」製作委員会

