激しいファイトで「ミスタープロレス」と呼ばれ、日本プロレス界の頂点を極めた天龍源一郎(76)。2015年に65歳で引退するまで、レスラーとしてのプライドを貫き通した。ABEMAエンタメの密着企画「NO MAKE」では、落合博満に匹敵する「最高年俸1億円」を稼ぎ、一晩で数千万円を使った豪快な全盛期と、自ら幕を引いた「妙な意地」の真相に迫った。
福井県出身の天龍は、中学2年生の時に身長182cm、体重82キロという恵まれた体格を見出されて大相撲の世界へ入門。その後、26歳でジャイアント馬場率いる全日本プロレスに入団し、プロレスラーへと転向した。
■「落合選手に負けないくらい稼ぐ」最高年俸1億円と数千万円の散財
瞬く間にトップレスラーへと駆け上がった全盛期、稼ぎ出した金額も桁違いだった。「最高年収」を問われた天龍は、「最高は1億円。(プロ野球の)落合博満が1億円もらった時に、俺も1億円あったよ。あの時に『年俸を公表しよう』って言ったら、女房が『ダメ』って」と豪快に振り返る。さらに「1日で最高いくら使ったか?」という質問には、「そりゃあ何千万円って使ったことある」と明かした。
何千万円もの大金を一体何に使ったのか。天龍はその理由をこう語る。「飲みに行ったりとか、くだらない物を買ったりとかステータスを付けたかった。あの頃、『プロレスラーなんて』と言われたから、『これだけ稼げるんだよ。野球で三冠王をとっている落合選手に負けないくらい稼ぐレスラーもいるんだよ』ということをアピールしたかった」。世間からの偏見を跳ね除け、プロレスラーという職業の夢と地位を守るための意地の散財だった。
そんな天龍がリングを下りる決断をしたのは2015年、65歳の時だった。肉体の限界を感じる中、胸中には激しい葛藤があったという。「晩年自分の力が衰えてきた時に『13歳から相撲に入ったお前がもうギブアップするのかよ」って囁いているもうひとりの俺がいたね」。
それでも引き際を決めた背景には、最後までレスラーとしての美学を貫きたいという強い思いがあった。「(年齢が原因で)俺が辞めるってなると、『天龍さんも年とってキツくて辞めていくんだ』というのがまことしやかな話になって出ていくのが嫌だったの。自分でちゃんと辞めたっていうのを知らしめたくて65歳までやったっていうのが正直なところかな。ギブアップして辞めたって言われるのが嫌だったね。妙な意地だよ」。誰かに引導を渡されるのではなく、己の意志で幕を引く。生涯をリングに捧げた男の、誇り高き矜持だった。
(『ABEMA NEWS』より)
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