伊調馨の史上初のオリンピック4連覇をはじめとした、レスリング女子三階級金メダル制覇に湧く日本。日本がメダルラッシュとはいえ、海外ではやはり自国の選手の活躍が主に報道されている。では、各国のオリンピックの捉え方、温度感はどうなのだろうか。

8月18日放送のAbemaTV「AbemaPrime」では、各国のオリンピックの報道についてさまざまな立場の人からの話を聞いた。
▪︎卓球大国・中国では福原愛が大人気

番組では54個(メダル個数はすべて8月19日現在の情報)のメダルを獲得している中国のスポーツ専門サイト「フープー」の五輪プロジェクト責任者、陳凌宇氏に中継で話を聞いた。
陳氏によると、中国の国民はオリンピックに強い関心を寄せているが、あまり成績がよくない場合でも選手を責めることなく、寛容にその結果を受け入れているとのこと。
スタジオからの「日本戦は盛り上がるか?」という質問に対しては「日本が対戦相手ということで、特に違いはない。ただ、中国は卓球が強い国なので、この数年来、日本の卓球選手が力を伸ばしていることはたいへんうれしく思っている。水谷選手との決勝では中国民もたいへん興味を持って応援していました」と、日本は良きライバルとして台頭してきているという認識だという。
また、卓球の”愛ちゃん”こと福原愛選手は、中国でも大人気なのだという。小さい頃の映像も中国語の字幕付きで見ている人が多く、また福原選手自身も中国語が堪能で、さらに中国人男性との結婚を控えているということで大変好意的だと話した。
▪︎ドーピング問題で揺れたロシアは……

さらに番組では時事通信社モスクワ支局の平岩貴比古記者と中継。ドーピング問題で揺れていたロシアの状況を聞いた。
ロシア国民は、国威を示す大きな大会ということからオリンピックは大好きなのだというが、今回のドーピング問題ではかなり揺れていたそう。平岩氏は、
「日本が三階級を制覇したレスリングの女子は、トップニュースで報じられた。レスリングはロシアの国技とも言えるもので、『金メダルを逃した、悔しい!』と伝えられている」
とロシアの格闘技大国ぶりをプーチン大統領が自ら出している柔道教本などを例にあげて解説。実際、柔道の競技人口は日本の10倍なのだという。
ドーピング事件については、陸上はあまりロシア国民にとって熱狂する種目ではないとしながらも、オリンピックのお祝いムードに水を挿したのは否めないようだ。また、陸上の選手が全員出場禁止を命じられた中、米国を拠点としていた為免れ、一人出場しているクリシナ選手については「国の裏切り者」と言われていると語った。
▪︎お隣の韓国は、南北の平和を強調

さらに番組では16個のメダルを獲得している韓国にもフォーカスを当て、ネット新聞「ザ・ファクト」のスポーツ長シム・ジェヒ氏に話を聞いた。
韓国では、スター選手がいるなど強い競技に人気が集まっており、アーチェリーやフェンシング、男子のサッカー、女子のバレーボールなどが注目されているという。
特にアーチェリーに関して伝統的に韓国はずっと強かったそうで「国家代表になる方がオリンピックで競うより難しいかもしれないと言われている」とシム氏は国内の層の厚さを語った。
また、北朝鮮のホン・ウンジョン選手と韓国のイ・ウンジュ選手が記念のセルフィーをするなど、南北の選手の関係が「南北の調和」として注目されているという。
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