元々ゾンビってなんぞや
そもそもゾンビというのはアフリカを起源とするブードゥー教の魔術儀式で復活した死者のことです。
ブードゥーの司祭が魔術を使って、腐る前の死体を復活させてコキ使うことができるというのがはじまりなので、アメリカ映画で登場するゾンビさんは、本当はゾンビじゃなく「生きた死体(リビングデッド)」です。
それが映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編『ゾンビ』の大ヒットで、「携帯音楽プレーヤー=ウォークマン」みたいな感じで広まっていき、今では全部がゾンビと呼ばれるようになりました。
現在のゾンビの特徴である「腐ってる」「噛まれるとゾンビになる」といったものは、すべて『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の影響です。ゾンビ物の多くのタイトルに「~オブ・ザ・~」とつくのも、この作品の影響なわけです。偉大すぎです。
国産ゾンビゲーといえば『バイオハザード』
もはや説明不要の人気シリーズ『バイオハザード』ですが、これがゾンビをメインにしたゲームの元祖です。
それまでもゾンビが登場するゲームは多く、『ドラゴンクエスト』シリーズでもくさったしたいが、『悪魔城ドラキュラ』や『魔界村』でもゾンビが出ましたが、ゾンビがゾンビらしくゾンビするシチュエーションのゲームで、ヒット作といえるのは『バイオハザード』が最初ではないでしょうか?
Heartbeat Channelさんで実況されている『バイオハザード』リマスター版がこちらです。PS時代に比べると圧倒的に美しいですね。
『バイオ』の登場は当時も衝撃的でした。ゾンビ映画の緊張感そのままにゲームが遊べるというのは日本以外のゲーマーにも受け入れられ、映画まで作られるほどの大ヒット。
制作会社のカプコンも『スト2』のカプコンから『バイオ』のカプコンと代名詞が変わっちゃうレベルです。今でもカプコンの代表作と言えば『バイオ』か『モンスターハンター』と答える人が多いですよね。
たつがみさん家の遊戯時間さんでは『3』を実況。『1』では洋館が舞台でしたが、『バイオ2』以降は街などフィールドが大きく広がっていきます。
『3』といえば、みんな大好き追跡者です。感染事故を起こしたアンブレラ社の生体兵器タイラントの改良型なのですが、倒しても倒しても追ってくるターミネーター的な怖さが印象深い敵キャラです。
ちなみに彼は数あるタイラントシリーズでも人気のキャラらしく、対戦格闘ゲーム『アルティメットマーベルVSカプコン3』でゲスト出演しています。
ゾンビゲームの一大ブランドであるシリーズだけに、20作以上も派生作品があります。多くの実況主さんが動画をあげているので、見る動画には困りません。
最新作『7』も2017年1月に発売予定ですし、『バイオ』の歴史とゾンビの進化を楽しんでみてはどうですか?
ゾンビ物なのに気持ちいい『デッドライジング』
『デッドライジング』は『バイオ』の成功を受けてカプコンが開発したゾンビゲームです。『バイオ』との大きな違いは、『バイオ』が探索しつつ謎を解くゾンビゲーなのに対し、『デッドライジング』は一定時間特定の場所で立てこもることがクリア条件となっている点です。
関西人の下手の物好きちゃんねるさんで実況動画が配信されているので、『バイオ』との違いを楽しんでみてください。
ペットを助けようとバリケードを開けようとするおばあちゃんの図 ゾンビ物のお約束「利己的理由で仲間を危機に陥れるバカ」の典型です。こんな人たちと一緒にゾンビと戦うわけです。
主人公のフランクは、熱した中華鍋でゾンビを倒しています。
このゲームの特徴として、多彩な武器と爽快なアクションがあります。キャラクターもどこかコミカルですし、B級映画のようなバカバカしさが魅力です。
バットや銃をはじめ、つかめるアイテムのほとんどが武器にできるため、それをつかってワラワラと寄ってくるゾンビたちを蹴散らします。『バイオ』などでは戦いを避けることが大事だったりしますが、『デッドライジング』はやっつけまくりです。
『デッドライジング』はこのアホな内容が全世界で大ヒット。『3』まで制作され、年末には最新作『4』が登場予定です。全作品の実況動画があるので、順番に楽しんでみてください。
重厚なドラマが魅力『ダイイングライト』
とかい育ちチャンネルさんが実況している『ダイイングライト』は、感染病によりゾンビが大発生した世界を舞台にしたサバイバルアクションです。
1枚の大きなマップを自由に移動するオープンワールドゲームで、鉄塔に上ったり、屋上を伝って移動したりと、アクション要素が強いゲームになっています。
生き残った人類と出会い、情報交換などをしながら戦うわけですが、生き残った人類はすべて善人と限りません。ゾンビ物の基本である「極限状況での裏切り劇」がたっぷり楽しめます。
こういうヤバい状況で生き残るのは、やっぱりこういう人間なんでしょうね。
普通なら絶対に仲良くなりたくない感じですが、ゾンビどもと戦うためには彼の協力が必要なのです。
……奥で人間を拷問していますが、そこは目をつぶろう。
一人称なので振り返ればゾンビが怖すぎます。アクション難度はかなり高いですが、ドラマティックなシナリオは必見です。
ちなみに動画ではプレイしていませんが、最強のゾンビとなって他のプレイヤーを狩るゾンビモードがあるのもこの作品の特徴です。人類の敵となると「ゾンビって楽しい!」と思えるかも?
原作は海外ドラマ『ウォーキング・デッド』
海外ドラマ『ウォーキング・デッド』のアナザーストーリーを描いだゲーム版『ウォーキング・デッド』。こちらも極限状態での人間ドラマをメインにした多層的なストーリー展開が魅力のゲームです。
アクション要素はほとんどなく、ストーリーをどう選択していくかがメインのアドベンチャーで、その「子どもを救うか大人を救うか」など、シビアな決断を求められていく点は原作ドラマとまったく同じです。
シーズン2では少女を主人公に物語が進行しますが、極限状態であるため大人たちがこんな感じで信用できません。
ワタゲームさんがシーズン1~2ともに実況しているので、ドラマファン、ゾンビ好きは必見です。
ゾンビ世界で建築生活『7Days to Die』
『7Days to Die』はインディーズ会社The Fun Pimpsより発売されたゾンビゲームです。
PC、PS4で発売され、steamなどでダウンロードしてプレイできますが、どちらも英語版しかないのが欠点です。
大まかに説明すると「7日ごとにゾンビ軍団が来るので、仲間たちと生き残ってね」というサバイバルホラーゲームです。他のゾンビゲームと一線を画すのは、建設要素があるということです。
プレイヤーは斧などで木を切り倒し、弓などを作ったり、防護壁を作ってゾンビ軍団から身を守る必要があります。食料生産や採掘などの要素もあり、『マインクラフト』のように自分だけの家を作ることができます。
ネットを使ってマルチプレイも可能で、ほかのプレイヤーたちと生存者の村を作ることも可能です。インディーズだけにいろいろと不具合は多いのですが、「みんなで作った村がゾンビ軍団に蹂躙される」という割と救いのない光景が頻繁に見られます。 て~げ~ちゃんねるさん、のあチャンネルさんなどで実況動画が配信されているので、ゾンビとまったり共生する建築生活を視聴してみてください。
て~げ~ちゃんねるさん、のあチャンネルさんなどで実況動画が配信されているので、ゾンビとまったり共生する建築生活を視聴してみてください。
敵はゾンビじゃないゾンビゲー『H1Z1』
『H1Z1』はゲームサイトsteamでダウンロードできるゾンビゲームです。
ゾンビの大量発生で絶滅の危機に瀕した世界で生き残るという典型的なストーリーで、1つのワールドに150人ものプレイヤーが解き放たれ、生き残りをかけてゾンビと戦うことになります。
ですが、そこでプレイヤーは気づきました。「ほかのプレイヤーが持っているアイテムを奪えば、楽勝で生き残れるんじゃね?」。かくして、仁義もクソもないサバイバルバトルロイヤルが開始されることになります。
銃を持っているプレイヤーは圧倒的に有利ですが、全員がそれを狙って襲ってきます。ゾンビから逃げたと思ったら木陰から矢で射られるなんて普通です。汚い、人間は汚い。
ゲームに慣れてくると警戒対象が人間>ゾンビとなるので、厳密にゾンビゲーと言えるのかはやや疑問です。ですが、プレイ中まったく油断できない緊張感のある内容はかなりのもの。
1度のプレイ時間も短め(一定時間経過すると毒ガスで移動フィールドが狭まっていきます)なので、プレイ動画を気軽に楽しめます。
オウルのゲームパークさん、キリチャンネルさんなど多くの実況主さんが殺したり殺されたりしていますので、興味があれば楽しんでください。
なぜアメリカ人はゾンビ好きか?
そこまでアメリカでゾンビが好かれているのは、キリスト教圏で土葬の習慣があることが大きく影響しています。そのほかにも「すでに死んでいるので容赦なく倒せる」「わらわら感じが楽しい」という部分もあるのかもしれません。
戦争を扱ったFPS『バトルフィールド』にもゾンビモードがあり、建築サンドボックスである『マインクラフト』にもゾンビが登場するなど、彼らのゾンビ愛はハンパありません。ゲーム業界がゾンビに目覚めたのが日本産の『バイオハザード』というのが面白いですが、ゾンビゲームの進化と細分化は止まらないでしょう。
そして、『バイオハザード7』『デッドライジング4』発売と、年末から来年にかけてゾンビゲームの注目作品が目白押しです。動画を眺めながら、「次のゾンビはどんな感じなのかな?」とワクワクしてみてはどうでしょうか?