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予算の増大が指摘されている東京五輪。小池百合子都知事は見直しに着手し始めたが、そのうち一つが当初の建設予算69億円から491億円に増大したボート・カヌー競技を行う「海の森水上競技場」だ。その額、約7倍。これが宮城県の長沼ボート上に変更する可能性も浮上した。

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現在の海の森水上競技場について、五輪出場5回「ボートの鉄人」と呼ばれる武田大作氏がこの競技場を実際に体感。8日に放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)で紹介された。海の森水上競技場は風力発電機もあるほど風が強い場所だ。

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「左から来る風が多いですね。実際に同行してもらうと問題があります。羽田空港に近く、ひっきりなしに飛行機が来てレースに集中できないです。我々ボート選手は普段、淡水で漕いでいます。海水の方がぬめっとしていて滑りも違います。風と波だけで順位が決定づけられるコースは選手は嫌でしょうね。もてなす場所としてはお粗末過ぎます。」

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この問題に対し、番組MCのみのもんた氏は「ボートの鉄人がダメ出しするんだよ。風力発電してるんだよ。羽田の発着もあるし。なんでここに決めたの? 風下ほど波が強くなる。コースのどこに自分が位置するかで有利か否かがあるのですよ。」と意見した。

同番組には、法政大学ボート部ヘッドコーチの波間昭司氏が登場。

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「私も現地に行ってみましたが、武田選手が言った通り、風の影響は重要ですね。2000mで速さを競いますが、2cmで勝った負けたがあります。そういうタッチの差があるのです。トップアスリートの競技する場所で、風の影響がない場所が理想。しかし、この場所は風車があるだけに、風が強いという前提があります。その前提でやるのであれば、環境が整った場所ではないと思います。私はボート協会所属ですが、『ここで決めたから』と言われたんですよ。選手・もしくは監督には決まった後には伝えられているんです」(波間氏)

しかし、東京都議の川松真一朗氏によると、様々な検証をした結果、海の森水上競技場が良いとの結論になったという。「何がベストか」を様々考慮した結果なのだそうだ。

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埼玉県戸田市のボート競技場など、既存の施設は使えないのだろうか。戸田市はすでに誘致を提案している。だが、川松氏によると、国際基準が変わってきており、戸田のボート競技場はコース幅の問題があり使用できないそうだ。そして「消去法」により、海の森水上競技場が残ったと説明。しかし、戸田のボート競技場改築には50億円で済むという。

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波間氏は「戸田がベストだと考えています。戸田から船で練習がてら着けます。練習水域としては、戸田の現場は最高というのに賛成です。」と語った。

一方、川松氏は戸田案に難色を示す。

「50億円という数字が出ましたが、検証の結果、岸壁を削るなどでもっとかかる。ボートはOKですが、カヌーをやると50億ではきかない。あと、荒川が氾濫時の調整池にもなるのです。」

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海の森水上競技場は最寄駅から20分。五輪が終わったら「負の遺産」になるのでは? との指摘もある。波間氏こう答える。

「この水域で練習ができるかといえばどうですかね…。実際、周りは真っ暗。戸田では朝4時台から練習始まる。海の森水上競技場に4時に行こうにも、バス通っていないんですよ。ここで練習するのは無理。」

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川松氏は「我々はボートとかカヌーだけでなく、水辺を活かした施設を作りたいのです。レジャーとして使える施設として盛り上げたいと思う」と語った。みの氏は「そういう意見のために490億円使うの?」と疑問を呈したが、川松氏は「ペイするために、赤字にしないために議論を深めている。納得できないなら、他の選択肢もある。」と、さらなる議論の必要性を論じた。

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