11月4日にコネチカット州開催された、アメリカの総合格闘技団体『ベラトール163』メインカードのライトヘビー級タイトルマッチ、リアル・マクゲリー対フィル・デイヴィスは、デイヴィスが判定で勝利し王座を奪取した。
今大会最大の注目だったライトヘビー級タイトルマッチ。マクゲリー対デイヴィスは、元UFC経験者やベテラン有名ファイターなどのスーパーファイト推しの傾向が強い「ベラトール」の中で、進行形のファイター同士の最もホットなカードの一つ。
11戦負け無しの王者マクゲリーだが、1年2カ月もリングから離れていた。一方のデイヴィスは、グレコローマン2年連続全米2位のレスリングエリートの元UFCの実力者。この1年間で急激にレベルアップした「ベラトール」の中で王者の真価が問われる試合となった。
5分5ラウンドで争われた試合は、序盤こそ体格に勝るマクゲリーが、スタンディングでリーチを活かした打撃で相手を圧倒してみせたが、左フックや右ハイなどで速い攻撃をみせるディヴィスにテイクダウンを奪われると劣勢に。ケージ際でデイヴィスのパウンドの嵐を浴びせ試合をコントロール。
2R、3Rもスタンドでの勝負を嫌うデイヴィスがテイクダウンに持ち込み寝技に持ち込み、ラウンドを有利に進めた。
4R以降は、試合を有利に進めたデイヴィスがスタンド勝負でも余裕を持って戦い、隙あらばマクゲリーをテイクダウン、5Rに入りマクゲリーが一発逆転の関節技を試みるも、全て封じられた。
これまで「ベラトール」のリングで肉体的なアドバンテージを背景に王者として君臨して来たマクゲリーだが、1年以上のブランクで臨んだタイトル戦は、UFCで現代MMAを叩き込まれたデイヴィスに技術面で圧倒される形となった。
1Rこそデイヴィスも攻撃疲れによるスタミナ切れが見られたが、5R判定の結果は3-0(50-43、50-45、50-44)の大差で勝利し、5代目のベラトール・ライトヘビー級となった。
UFCに次ぐアメリカ第2の総合格闘技団体として急激に成長を見せている「ベラトール」。年明けのティト・オーティス対チェール・ソネンのバッドすぎるオヤジ対決も今大会で発表され盛り上がりを見せている。
これまではベテランファイターのセカンドキャリア、もしくはUFCを解雇になった選手たちのチャレンジの場の色も強かったが、近年大物ファイターの移籍による話題性のあるマッチメイク、若手選手の成長と様々な観点から興味をそそるカードを連発する興行として目覚しいレベルアップを遂げている。なお『ベラトール163』の試合結果のうち判定は僅かに4試合、KO2戦を含むTKOやサブミッションが10試合と、決着するカードが圧倒的に多いのもこの団体の魅力と言えるだろう。