12月3日、韓国で6週間連続の朴槿恵大統領退陣要求デモが行われた。この日のデモは、これまでで大統領官邸から最も近い「100メートル」の距離まで接近することが許された。前週は200メートルだっただけに、随分と近づいた形となる。現地の様子について、時事通信ソウル特派員の原田憲一氏が同日放送の『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)に出演、現地のリポートを行った。
100メートルまで近づけたということは、これまで平和的にやってきたことも影響しているという。警察との衝突なども特に大きくは発生していないことからより距離が縮まったようだ。そして、3日のデモ隊のコールは「即退陣」という声だという。弾劾には時間はかかる可能性もあり、4月まで伸びるといった見方もある。となれば、それまでこういったデモは続くのでは、との見通しを示した。
当初野党からは「挙国一致内閣」というアイディアが出ていたが、朴氏がすぐに辞めるという状況ではないので、まずは大統領を引きずり下そうという動きになっている。そして、番組MCのみのもんた氏と以下のやり取りになった。
みの:韓国の社会とか、経済は今どういう状態ですか?
原田:国政の方が停滞しているというのが一番大きいです。今日の未明、弾劾訴追案が提出されましたが、その前に行われていたのが予算案の通過。そういう部分ではしっかりやっていこうという動きがでています。政権中枢が何かができる状況ではないので、色々な形で波及していくと思います。
みの:景気というか、一般の会社の状況は? 経済まわってますか?
原田:今回の事件発覚までに、サムスンの問題もありましたし、海運会社がつぶれて世界的影響もありました。そういう問題の中での今回の事件が起きた。経済成長が停滞するのではないかと言われている中、立て直さなければならない時に、なかなかその方向に政権が動けない。
みの:今警備にあたってるのは警察?
原田:今のところ、警察です。若い警察官が多いです。
みの:北朝鮮との関係が微妙ですが、そちらへの心配事は?
原田:北に関しては、色々なことが心配事です。しかし、この事件が起きてから北朝鮮が静かなのですね。韓国の混乱は北にとってはありがたいこと。今、様子を見ているのではないか。
みの:韓国の対世界への不安は?
原田:世界10位ぐらいの経済規模ですが、海運会社破綻の影響もありますし、日本でも港で船が止まったりもしています。以前よりも韓国の存在感は大きい。海外メディアも今回の朴大統領の事件に関してはなぜ一般人である崔順実被告が裏にいて操っていたかなどを詳細に報道している。本来、韓国もアジアでリーダーシップを取っていかないといけないですが、こういうことでは不安が残りますね。
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