紙コップを使って、これまで無かった、画期的な"あるもの"を作り出した女性がいる。
水嶋一江さんの自宅には糸とコップが張り巡らされている。これはなんと、紙コップと絹糸でできた"楽器"なのである。水嶋さんは「ストリングラフィ」という紙コップを使った世界初の楽器を発明した人物なのだ。
2つの紙コップの間に通した絹糸を指で擦ることで音色が奏でられ、紙コップはスピーカーの役割を果たしている。つまり、糸電話の原理を応用しているのだ。
紙コップで音を奏でるという発想を得たのは、山形県の月山で開かれた「自然の中で表現する」がテーマのパフォーマンスフェスティバルに参加した時だった。元々作曲家だった水嶋さんは、「木と木の間に糸を張り巡らせ森を一つの楽器にし、小鳥の声や風の音などナチュラルな音を演奏したら素敵だな」と思いついたという。
ストリングラフィは弾き方を変えれば色々な自然の音も奏でることができ、音色はカエルやカッコウなど、変幻自在だ。
一見簡単に作れそうな楽器だが、湿度などちょっとした環境の変化により音が変わってしまうなど苦労も絶えないという。実は、プロの手にしか出来ない様々な技術が駆使されているのだ。
実はこの紙コップ、同じものを10年間も使っているという。これまで様々な音が紙コップに伝わったことで、紙が変化していき、"味わいのある音を奏でる紙コップ"へと成長したのだという。
この水嶋さんの素晴らしい音色は、世田谷区にある「Studio EVE」で実際に聴くことができる。毎月、子ども向け・大人向けに、それぞれ一回ずつ公演を行っている。
今月は28日(土)14:00~(大人向け)、29日(日)11:00~ 14:00~の日程で行われる予定だ。
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