過激な言動が時に外交問題に発展するトランプ氏。

 イギリスのEU離脱について「EUはアメリカの国際貿易を打ち負かすための道具だ」と批判。また難民受け入れに寛容なメルケル首相について「彼女は壊滅的な間違いを犯した。不法難民を受け入れたことだ」と鋭く非難した。さらに「まずは両者を信じるところから始める。信頼関係がいつまで続くか試してみる。全く続かないかもしれない」と発言し、メルケル首相とプーチン大統領を天秤にかけるような言動も飛び出した。サイバー攻撃についてはロシアと認めたものの、関係改善を目指す姿勢も示した。

 だが、トランプ氏の主要閣僚は公聴会で正反対の発言をしている。マティス次期国防長官は「プーチンはNATOを分断しようとしている。最も主要な脅威はロシアだ」と発言。親ロ派と見られていたティラーソン次期国務長官も「ロシアは脅威です。(クリミア半島併合は)違法です。領土の略奪です」ときっぱり。予測不能なトランプ外交、今後の米ロ関係はどうなっていくのか。

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 対ロ政策について、国際ジャーナリストの小西克哉氏は「ロシアとアメリカは距離を縮めた方が日本にとってはプラスになる。だがそうなるかはわからない。トランプ氏の考えている人事ではまったく異なるロシアに対する考えを持った人物がたくさんいる」と述べた。

 これに対しジャーナリストの山口敬之氏は「今トランプ氏が言っていることはオバマ氏の正反対のこと。オバマとプーチンほど両国の関係は悪くはならないだろう」と分析する。自民党参議院議員の青山繁晴氏は「トランプ外交は予測不可能などと言われているが、あれはウソ。予測可能です。要は『オバマ氏の逆』『貿易摩擦』のことだけ考えている。貿易摩擦のないロシアとは仲良くなるし、貿易摩擦のある中国、ドイツとは仲が悪くなる」と語る。

 また、国際メディアコンサルタントの七尾藍佳氏は「ロシアルーブルは対ドルで1月に入ってから30%急騰している。これは本当に大きい。これはアメリカが対ロの制裁を解く方向に動いているということ。つまり、隣国のウクライナに土足で乗り込んで侵略した国への制裁を解くということ。第二次世界大戦後、築き上げてきた平和の秩序が崩れる。日本にとってはプラスにはならない」と推測する。

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 肝心のロシア政策だが、その舵取り役を担う閣僚人事に注目が集まっている。一体誰をどのように配置していくのか。山口氏は「閣僚はこれから議会から承認を得て、初めて就任する。アメリカの最高権力は大統領ではなく、議会。閣僚候補たちも議会向けの発言をして承認を得ることを優先している」と閣僚の発言を分析。青山氏も「ティラーソン氏は明らかに暗記したようなことを発言していた」と賛同する。

 次期国務長官として注目が集まるティラーソン氏や次期大統領補佐官のフリン氏について国際コラムニストのケビン・クローン氏は「親ロ派の人物で特にフリン氏はプーチン大統領に直接電話ができると言われているほど。一方のマティス氏(次期国防長官)とセッションズ(次期司法長官)は反ロ派。要するに、トランプ政権はバランスを考えているということ。異なる意見をもつ人物を配置し、ちゃんと議論をさせて『最後は俺が決める』という主義」と推測。

 トランプ政権ではどのような対ロ政策が展開されるのか?注目が集まる。

(AbemaNewsチャンネル/みのもんたのよるバズ!より)

(C)AbemaTV

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