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 人口約71万人を抱え、23区で一番の面積を誇る東京・大田区。日本のモノづくりを支える町工場や下町だけでなく、田園調布などの高級住宅街も併せ持つ。この大田区で、ある若手議員が"地域活性化"を掲げ活動している。2年前の選挙で初当選を果たした荻野稔区議(31)だ。

 「やはり"モノづくり"、"町工場"、"労働者"、そこに対してもっともっと支援を打っていかなければならない」と語る荻野区議。

 大田区では、最盛期に9000軒以上あった町工場が、今では4000軒ほどに減少している。大手自動車メーカーやOA機器メーカー向けの金属部品加工などを行う「叶機械工業」の斎藤亮社長も「(トランプ米大統領が)日本に結構圧力をかけるんじゃないかとかね。TPPがどうのこうの言ってますけど、それが実際どう日本の景気に左右するか」と不安げだ。

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 31歳独身ということもあり、雑然としている仕事場には、政治家の事務所にしては"似つかわしくないモノ"が置かれている。アニメのフィギュアだ。自身のことをを「オタク」と言い切る荻野区議。コミックマーケットで同人誌を出したり、イベントでコスプレをすることもある。

 高校卒業後、アニメ専門学校で漫画の書き方を習得したという経歴も持つ荻野区議は、政治家となった今もポスターに加え、政策や活動をPRするチラシの絵を自分で書いているという。そのため、ポスターも少し変わっている。「まず伝えたいことは前面に出して、それで名前とかは後でいいよ、みたいな」と、本人の顔写真に名前が大きく書かれた"よくあるデザイン"ではなく、なんと漫画なのだ。

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 「なるべく文字ばかりではなくて絵の可愛さとか面白さとかわかりやすさとかを活かしていけないかなと思っているんです」と狙いを説明、「大田区は羽田空港もあり、海外の方が足を運びやすい場所にあるんですよね。私は漫画やアニメというのはもう日本語じゃなくて世界の共通のワードになりつつあるかなと思います」とし、漫画やアニメを活かした区の活性化も模索する。

 荻野区議の取り組みに、有権者たちも「こういう方が面白い」「荻野君っていうのがよく見なきゃ分からない」「同じことが書いてあっても箇条書きよりは分かりやすい」と好印象の様子だ。

■「持病があって、家族の自殺も経験」

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 政治家になる以前はNPOで障害者の支援に取り組んでいたこともあり、社会福祉活動にも人一倍力を入れている。目指しているのは、"誰もが元気に楽しく生活できる住みやすい街"。

 「福祉のお手伝いをしていた経験ももっと融合させて、地域の活性化に結び付けていければなと。やっぱりみんなが本当に精神的な安息や、充実感を持って暮らせる社会を作っていきたいなと思っています」。

 荻野議員がこれほどに"住みやすい街づくり"にこだわるのには理由がある。

 「私自身、持病があって、それとともに家族の自殺も経験していて。目に見えないことを含めた色んな課題とか生きづらさ、生きていく上での困難など、そういったものをしっかりと取り除いていかないとやっぱりダメかなと。本当に大事なのは人一人一人のことだと思いますので、悩みとか苦しみにもっと寄り添ってあげるという風に行政の施策を変えていければなと思っています」。

 確かな目標を持ち、区民に寄り添おうと活動する荻野議員。個性的な彼の活動に注目だ。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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