『UFC203』で一撃も与えること無く敗れた、元WWE世界王者、CMパンク。総合格闘技経験の無い元プロレスラーが、37歳にしてMMAにチャレンジしたことは、一部の人たちに感動を与えたが、一方でその高額なギャランティーが賛否を呼んでいる。若手の有望株、ミッキー・ガルに2分14秒。全く何も出来ずに瞬殺されたCMパンクだが、その報酬は50万ドル(約5077万円)。さらにPPVの有料放送によるポイント収益のボーナスも加算されるというから、さらに高額なギャランティーを得たことになる。
その知名度の高さなど、コンテンツとしての付加価値は誰もが認めるところだが、多くのMMAファイターからは複雑な反応が続出。女性ファイターのクリスチャン・サイボーグは「WWE野郎がたった一回の試合で5000万円も貰った。それだけあればフェザー級全員雇えるわ」。ローリー・マクドナルドも「ジョークかよ」とコメント。ケルヴィン・ガステラムは「投げ損なって一発殴って、銀行に5000万円振り込まれるとは」など。その他にも数多くの関係者や、MMAファイターから不満が続出している。
殆どが怒りのコメントで溢れているが、元UFCライト級王者のハファエル・ドス・アンジョスはやや冷静に「CMパンクが5000万貰ったことに反感はない。ただチャンピオンになった者や、この競技に一生を捧げた人にもそのような報酬が与えられるべき」と、興行を成功させる側面としてのCMパンクの価値は認めつつも、より専業のMMAファイターへの報酬アップを訴えている。
UFCのデイナ・ホワイト代表は「CMパンクはおそらくUFCでもう一度戦うことはないだろう」とインタビューでコメント。「彼が次を戦う期待を持つべきでない、余りにもやっていくにはタフだし厳しすぎる」と語っている。