8月に行われた「UFC202」の試合直前の記者会見で、対戦相手のネイト・ディアスとペットボトルなどを投げ合う乱闘を行ったUFCフェザー級王者、コナー・マクレガーに対し重いペナルティーを科したネバダ州のコミッションに対しマクレガー側が「二度とネバダ州内で試合を行わない」と反撃。UFCのデイナ・ホワイト代表が緊急記者会見を行い波紋を呼んでいる。

 世間的にも大きな注目を集めた「マクレガー対ディアス2」。世紀のケンカマッチの再戦ということもあり、会見でも両選手がそれまでの舌戦の鬱憤を晴らすように立ち回りを演じた。ラスベガスでの大会などを統括するネヴァダ州アスレチックコミッションが10月10日発表した処分内容は、15万ドル(約1557万円)の罰金と50時間のボランティア活動を科すというもの。15万ドルという罰金はこの試合でマクレガーが得たファイトマネーの5%にあたる。

 今回の余りにも厳しいペナルティに対し、UFC・デイナ代表も「馬鹿げている」「狂気の沙汰」と言及。「コナー・マクレガーはネバダ州を必要としていない。彼はどこでも戦う事ができる。例えば、アイオワ州で戦えばいいこと。何ならどこかの離れ小島で試合をしてもいい」と、ネバダ州で彼が試合を今後一切行わないという姿勢を明確にした。

 一選手が、ラスベガスを抱えるネバダ州のコミッションに対して強気の姿勢でいることには訳がある。MGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたUFC194ジョゼ・アルド戦でチャンピオンになり「時の人」となったマクレガーは、短期間に2600万ドル(約27億円)もの利益を州にもたらしている。いわば「ドル箱」といえる選手なのだ。

 今回議論となるのはMMAの大会および試合前の演出などが「エンターテインメントかスポーツか?」という一点に尽きるだろう。振り返るとネイトとの会見に30分遅刻してマクレガーが登場。ディアスが遅れたことや、態度に不快感を示し退場しようとすると、その場で罵り合いから手元のペットボトルや缶を投げ合うというやりとりが行われた。これがプロレスなどであれば「演出の一部」として受け流されるが、州のアスレチックコミッションはスポーツの場に置ける処分に相応する「反紳士的行為」とみなした。

 当初、デイナ代表も「何らかのペナルティはあるだろう」と示唆していたが、これほど高額な罰金とペナルティが下されるとは予想していなかったようだ。

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