キャリア21年目のベテランレスラー・高橋奈七永が、ここにきて独自の活動で注目を集めている。

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【1.19『SEI☆ZA』で快勝を収めた高橋奈七永。道着姿は新鮮だ。】

昨年12月、ミャンマーに乗り込んで現地の格闘技ラウェイに挑戦。このラウェイ、素手で殴り合うという過激なルールで知られているが、高橋はチャンピオンにKO勝利。プロレスラーのフィジカルと精神力の強さを示したと言っていいだろう。

さらに日本では、1月19日に後楽園ホールで開催された『SEI☆ZA』に参戦した高橋。この大会は“ガールズ武道エンターテインメント”をキャッチコピーに、世界各国から集まった若い女子ファイターが日本武道を学びながら共同生活を送り、スターを目指して試合を行なっていくというもの。高橋はそんな選手たちの“団長”として慕われている。KO、ギブアップだけでなく場外押し出し、関節技によるエスケープ、スリーカウントのフォールもポイントになるのが『SEI☆ZA』ルールの特長だ。

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【対戦相手のマリアンティに豪快な首投げを決めた高橋。ここから猛攻がスタート。】

後楽園大会では5vs5マッチの副将戦に登場、ギリシャのマリアンティ“スーパーママ”サモウフと対戦。序盤は互角の展開だったが、2ラウンドになると相手のスタミナ切れもあって猛攻。首投げ、押し出しで立て続けにポイントを奪い、最後はグラウンドに持ち込んでスリーカウント。3ポイント奪取による勝利だが、印象としては“フォール勝ち”だ。

相手を抑え込んでフォールを奪う闘いは、高橋が全日本女子プロレスの新人時代から鍛え上げてきたもの。全女伝統ゆえ、抑え込みは“全女固め”とも呼ばれているという。「最後は意地で勝ちました。勝ちにいった結果、プロレスラーらしい勝ち方ができた」と高橋。試合数の多いプロレスと違い、試合の日に向けて練習し、コンディションと集中力を高めていく格闘技のスタイルもいい経験になったようだ。

2月16日にはラウェイ日本大会(後楽園ホール)にも出場する高橋。女子プロレスでトップを究めたベテランがなぜ今、格闘技に挑戦するのだろうか。

「私が目指しているのはアントニオ猪木さんのようなカリスマ。そのためには前人未到の域に行きなきゃいけないし、プロレスラーの枠を超えて闘わないと。世界一強い女になりたいので」

自ら率いるプロレス団体・シードリングでは1月26日の後楽園大会で中島安里紗とシングルマッチを行なう。JWPでトップを張り、今年からはフリーで活動する中島を迎え撃つ一戦は、女子プロレス界屈指の好カードと言っていい。フリーとなった中島だけでなく、格闘技の連戦を経験したことで高橋がどう変わったのかもポイントになってくるだろう。女子プロレス、格闘技、武道。高橋はあらゆる枠を超えて“最強”を目指す。

文・橋本宗洋

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