1月15日(現地時間)アメリカ・アリゾナ州フェニックスで開催された「UFCファイトナイト」のアレクゼイ・オレイニク対ピクト-・ペスタ戦で、UFCの歴史上初の決まり手「エゼキエルチョーク」という技が飛び出し大きな話題となっている。
メインカード前のプレリムで組まれたオレイニク対ペスタ戦。序盤1Rの両者大ぶりぎみな打撃戦を制したものの、オレイニクはケージ際での攻防で逆にテイクダウン奪われる劣勢な展開。
その後もペスタのパウンドとフロントチョーク、バックからの打撃などを受るなど一方的な展開で再びマントを取られるが、上を取られた体勢からオレイニクがペスタの首を締め上げレフリーが気づいた頃には失神寸前の状態になりたまらずタップ。思わぬ形で大逆転で1R2分3秒勝利を収めた。
この試合でコールされた決め技の「エゼキエルチョーク」馴染みの無い名前で勝ち名乗りを得たオレイニクもその名称を知らなかったそうだが、柔道の「袖車締め」、ブラジリアン柔術でエゼキエルチョークという名称が使われることはあるものの、基本的に胴衣を着た試合でみられる技ということでUFCのオクタゴンでは初の決め技というのも納得だ。
試合後のインタビューでオレイニクは「ペスタは長くてしっかりしたクビの持ち主だったので簡単に締める事ができた。ガードはガラ空きだったけれど、彼が素晴らしいレスラーだから彼をチョークで絞めようなんて今まで誰も思わなかったのかもしれないね。(テイクダウンで上を取られたときに)すこしリラックスする時間を与えたんだ20秒くらいかな、相手も「何も起こるまい」と思っていただろうし、チョークの練習は凄く前からやっていてここ3年~4年も対戦相手に何度もやってきたからね」と、不利な体勢からも冷静に技を狙っていたことを明かした。
オレイニクといえば柔術ベースのヘビー級ファイターで、2013年のロシアの大会「LEGEND」でミルコ・クロコップに一本勝ちしたこともある。あの試合でもじわじわとテイクダウンを奪いながら、最後はガッチリとチョーク気味の袈裟固めでタップを奪った。
パワーを前面にだした打撃主体のUFCのヘビー級戦線で「チョーク技全振り」というファイトスタイルのオレイニクがどこまで今後通用するかは未知数だが、一撃必殺のチョークの鬼、今後の活躍も要注目である。そして、今度はどんな試合をするのか非常に楽しみだ。