1.4東京ドーム大会「戦国炎舞 -KIZNA- Presents WRESTLE KINGDOM 11 in 東京ドーム」のメインイベント、オカダ・カズチカ対ケニー・オメガ。

両レスラーがいま出せるパフォーマンスを出し切った試合は、46分45秒の激闘の末にオカダが勝利し、2度めの防衛に成功という結果以上にプロレス・ファンに「オカダ体制」への信任を問う意味でも極めて重要な試合だった。

46分間にギッシリと中身がつまった一進一退の攻防は、両レスラーのキャリアを代表する最高傑作といえる内容だった。40分を経過した当たりですでに、オカダはレインメーカーをカウント2でかわされ、オメガも何度も試みた片翼の天使を封じられる。互いのカードを出し切った中での後半の展開は圧巻だった。

フィニッシュに相応しいレベルの大技を繰り出してもどちらも折れないという状況の中で、両者の残り一滴のエネルギーを出し切ったかのようなエルボー合戦というオーソドックスな攻防にも歓声が湧き上がる。

延々と続くヒジの打ち合いの中、一瞬の隙をつきオメガが驚くようなスピードでバックをとって低速のフルネルソンスープレックス、超高速Vトリガーのコンビネーション、これもカウント2。さらに膝を叩き込み、オメガが片翼の天使を狙うが、こらえて着地したオカダがレインメーカー。

45分からの1分半に及ぶ攻防はさらに壮絶、両者が手を掴んだまま燃え尽きるまで攻防を続ける。レインメーカーを受けたまま倒れこんだオメガ。劣勢に立ってなお息を吹き返しオカダへ前蹴り4発、ヒザ3発、鈍い音を立てる。それでもなお手を離さずに気力で立ち上がるオカダが、今度は執念のレイン・メイカー式のラリアット。一回転するオメガ。フィニッシュを狙うオカダのレインメーカーをオメガが返し投げを切り返す形から高角度のドロップキック。いつも見慣れているワザの応酬も、45分を超えスタミナと互いの限界を超えたレベルでの攻防となると意味合いも違ってくる。

最後の勝負にでたオメガは、レインメーカー式のVトリガーで強烈な膝を叩き込むというアイディアから、再び片翼の天使の体勢に、それを体を入れ替え逆転したオカダが、旋回しながらのツームストンパイル・ドライバー、そして最後に渾身のレインメーカーで3カウントでフィニッシュ。

試合後「オレは新日本プロレスを背負っているんだよ。オレが背負っている限り、新日本プロレスにカネの雨が降るぞ!」というオカダの言葉がようやく真実味を増したのが今回の試合だった。

昨年のトップレスラーの大量離脱、内藤哲也の大ブレイク、そしてケニー・オメガのG1初制覇といった新たな勢力が拡大中の中で、新日本プロレスがさらに強固に打ち出してきた「オカダ体制」へ少なからず不満を持っていたプロレス・ファンの多くも、今回のメインカードには納得の内容だろう。もっと厳しくいうと5年前の1.4から始まった出来すぎたシンデレラストーリーの最後のピース、オカダに足りなかった「真の名勝負」がここで埋まったという印象だ。

新日本プロレスは、今回、有料コンテンツの新日本プロレスワールドに加え、CS、深夜枠で2時間スペシャルの地上波と、これまで以上に力を入れて1.4大会を伝えてきた。

例年以上に格闘技の放送も多かった、2016年から17年にかけての年末年始だったけに、今回オカダとオメガが体現してみせた「現在進行系のプロレス」は、多くの人々の目に触れる機会がより多かった。オカダのいう「彼が背負うもの」は、対戦相手だけではなかったのだと思う。

一夜明け、喉元から首にかけては痛々しく真っ赤に腫れ上がり、キズだらけの背中から腹部にかけてテーピングしたオカダ・カズチカは、後楽園ホールのリングに姿を見せた。

セミファイナルの10人タッグ終了後、新日マットに帰還した鈴木みのる率いる鈴木軍の襲撃を受け、スリーパーで失神と「失態」を演じたが、こんな扱いも含めオカダが真のトップ時代を迎えた、2017年はこれまで以上の注目を集めながらスタートしたのである。

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