20日、さいたまスーパーアリーナで乃木坂46の3days公演『5th YEAR BIRTHDAY LIVE』がスタートした。初日は24歳の誕生日を迎えるとともに、本公演を最後に芸能界からも引退する橋本奈々未を中心に据えた「橋本奈々未卒業コンサート」だった。
オープニング『OVERTURE』に合わせて思い出の写真がスクリーンに映し出され、会場の熱気が最高潮に達すると、橋本がセンターを務めるラストシングル『サヨナラの意味』のイントロが流れ始めた。センターステージに一人現れた橋本にスポットライトが当たり、客席に向け深々とお辞儀すると、堪えきれずにタオルで涙を拭うファンの姿も見られた。
18日に放送された『乃木坂46SHOW!』(NHK BSプレミアム)では、「この子を見ていてよかったなとか、今日ここにきてよかったなって思えるような時間を、メンバー、スタッフさん含め、ファンのみなさんと過ごせたら良いなと」「これを持って終わりなんだって思ってもらえるようなものができたらいいな」とコメントしていた橋本。
開始前から自身のカラーである緑一色に染まっていた客席に向け「卒業しまーす!」「泣いた人ー!」と明るく挨拶。「目にこういう景色を映せる人はそうそういない。私も、みなさんの目にこびりついて離れない何かを見せつけて…網膜にこびりついてやる!」と呼びかけた。
■卒業コンサートならではのセットリスト
「BIRTHDAY LIVE」のコンセプトは"全曲披露"。今回も3日間で持ち歌の全てを披露するが、この日は橋本自身も選曲に関わり、メンバーたちが橋本のために選んだ曲も含むセットリストに。中には『せっかちなかたつむり』『でこぴん』『孤独兄弟』など、自身がメンバーとしてフィーチャーされたユニット曲や、星野みなみ・堀未央奈・齋藤飛鳥による『Threefold Choice』を白石麻衣・松村沙友理との"御三家"で披露するなど、卒業コンサートならではの見どころも満載だった。
即完売した30000席とは別に用意された、「見切れ席」「ステージ裏(バックステージ)席」5000席も即完売。直接パフォーマンスを観ることができないファンたちのために、橋本を含む選抜メンバーがこれらの席に登場。『ハウス!』を歌って盛り上げた。
M1.サヨナラの意味
M2.気づいたら片想い
M3.ガールズルール
M4.バレッタ
M5.制服のマネキン
MC&VTR(桜井玲香からのメッセージ)
M6.会いたかったかもしれない
M7.偶然を言い訳にして
M8.せっかちなかたつむり
M9.指望遠鏡
M10.13日の金曜日
M11.でこぴん
VTR(松村沙友理からのメッセージ)
M12.世界で一番 孤独なLover
M13.やさしさとは
M14.ダンケシェーン
M15.僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
VTR(高山一実からのメッセージ)
M16.Tender days
M17.革命の馬
M18.ボーダー
M19.制服を脱いでサヨナラを…
M20.ポピパッパパー
VTR(生田絵梨花からのメッセージ)
M21.遙かなるブータン
M22.太陽に口説かれて
M23.シークレットグラフィティー
M24.あの教室
M25.ハウス!
M26.ロマンスのスタート
M27.転がった鐘を鳴らせ!
MC&VTR(伊藤万理華からのメッセージ)
M28.ここにいる理由
M29.君は僕と会わない方がよかったのかな
M30.自由の彼方
M31.生まれたままで
MC&VTR(齋藤飛鳥からのメッセージ)
M32.孤独兄弟
M33.魚たちのLOVE SONG
M34.Threefold choice
M35.ロマンティックいか焼き
M36.そんなバカな…
M37.孤独な青空
アンコール
MC&VTR(白石麻衣からのメッセージ)
EN1.ないものねだり
MC(白石麻衣からの手紙)
EN2.サヨナラの意味
■白石麻衣は前半で涙「もう耐えきれなくて」
そんなユニット曲の一つ、『偶然を言い訳にして』では、メンバーから橋本にサプライズのメッセージ。「ななみんはずっ友だよ」とのメッセージを掲げた白石麻衣は、間奏中、橋本が花道で立ち止まって振り返り、後ろを走ってきた白石と向かい合う格好に。思わず涙を浮かべうつむいてしまった白石の肩を抱いて歩く橋本。その姿に、「4人の出会いは必然だよ」とメッセージを掲げていた松村沙友理もつられて涙していた。
MCで「今日は泣かないって決めてる」という橋本に、白石は「もう耐えきれなくて」と応じていた。
■伊藤万理華に"逆サプライズ"
20日は橋本の誕生日であると同時に、伊藤万理華の誕生日でもある。橋本が大好きだという一曲『生まれたままで』を贈った伊藤に、橋本が誕生日のサプライズプレゼント。伊藤にケーキのイチゴを食べさせていた。
■最初で最後のソロ曲『ないものねだり』を涙ながらに披露
最後の曲『孤独な青空』を歌い終わると、センターステージに集まったメンバーたちから遠ざかって振り返り、「…ステージ上でみんなを観ることはもうないんだなと思って。次にみんなを観るのは、多分、あのへんかな、このへんかな」と客席を指差し、感慨深そうな表情を見せた橋本。
「ななみん」コールを受けて一人で登場し、アンコールで披露したのは、自身最初で最後のソロ曲『ないものねだり』。
ライブ冒頭のMCで「泣かない」と宣言したとおり、気丈に話し始めた橋本だったが、「"ないものねだりしたくない"って歌っているけど、こんなに素敵な景色を何度も何度も目の前にしているのに、"別の道を進みたい"と思うのが、いちばん"ないものねだり"だなと思います…」と声を詰まらせ、大粒の涙を流した。
しかし、そこは冷静な橋本らしく、「けど、私が選んだその先に正解があると信じています。…泣く予定が無かったから化粧が崩れそうで。ティッシュはありますか?ティッシュが来るそうです(スタッフからティッシュを受け取り)鼻をかむ音は聴かせられないので、少し待ってて下さい(笑)」と会場を笑わせた。
そして「持ち直しました(笑)。私が選んだ道が正解であることを願うように、きょう皆さんとお別れして、その先に、皆さんの道に、楽しいこと、嬉しいこと、幸せなこと、これでよかった、と思えることがたくさんあることを願っています。今まで本当にたくさんの応援をしていただいて、ありがとうございました」と話し、途中涙で詰まりながらも『ないものねだり』を歌いきった。
■白石麻衣からの手紙に二人で号泣
「全力出すと息が切れるね」「今までで一番ミスが少なかった(笑)」と笑顔でライブを振り返った橋本。アンコール2曲目、二度目の『サヨナラの意味』の前に、キャプテン桜井玲香に促され、白石麻衣がサプライズの手紙を読み上げる。
ななみんへ
お誕生日おめでとう。そして卒業おめでとう。私が乃木坂で過ごした5年半は、私がななみんの隣にいた5年半でした。歳も同じで、曲の中ではシンメになる、ななみんがいてくれて。いつも、ななみんは私の中で最高のパートナーだと思うようになりました。
くだらない話で笑ってくれたり、悲しいこと、悔しいことで一緒に涙を流してくれたり。ななみんにしか相談できないこともたくさんあったけど、いつも親身になって話を聞いてくれたこと、すごく嬉しかったよ。ななみんを心から尊敬しています。
橋本奈々未という女の子に出会えたこと、それは人生最高の自慢です。5年半、みんなに幸せをありがとう。これからは、ななみんらしく、最高にかっこいい人生を歩んで下さい。もしも私たちにできることがあれば、いつでも連絡してね。そのときはどこにでも駆けつけます。
5年半、本当にお疲れ様でした。ずっとずっと大好きです。 白石麻衣
白石が号泣、他のメンバーたちも涙を流す中、読み終えた白石を橋本がハグ、止まらない涙にまたしてもティッシュを要求。化粧崩れを心配し「あ~、私ブス」と笑う白石に橋本が「まいやんは可愛いよ」と返すと、すかさず白石も「そっちこそ!」と切り返し、全体が和やかなムードに包まれた。
■「ありがとうございました。みなさんさようなら」
『サヨナラの意味』を歌い終え、ステージから降りていくメンバーの一人一人と笑顔を交わし、見送る橋本。涙顔の齋藤飛鳥、生田絵梨花と言葉を交わしたあと、最後に残ったのはやはり白石だった。二人は再び泣きながら、しばらく言葉を交わしていたが、別れ際には拳を合わせ、笑顔に戻っていた。
再びステージ上に一人になった橋本。ゴンドラに乗り込み、「ありがとうございました。みなさんさようなら」との言葉を残し、深々と一礼。舞台が暗転し、橋本の乃木坂46メンバー、そして芸能活動に終止符が打たれた。
(C)AbemaTV
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