首都圏の主要駅を降りると必ず目に止まる、「名代 富士そば」の看板。国内116店舗、海外にも東南アジアを中心に10店舗を出店(2017年1月時点)する、立ち食いそばチェーン最大手だ。今や女性客まで取り込んでいる「富士そば」は、一人の男の手によって作り上げられた。ダイタングループを率いる丹道夫(たん・みちお)会長、その人だ。
 現在81歳になる丹だが、経営への意欲は衰えることを知らない。「これからはいかに安くて美味しいものを出すかが勝負。文化水準が上がっている以上、求められる味の水準も上がっていく」と語り、クオリティチェックにも余念がない。各店舗を自らの足で回る、その代金は自腹だという。