2月25日に代々木第二体育館で開催された「K-1 WORLD GP初代ライト級王座決定トーナメント」は、決勝で中国出身のウェイ・ルイ(大東翔クラブ/CFP)が、日本の18歳、平本蓮(K-1ジム総本部チームペガサス)を判定(2-1)で下し、新設された-62.5kgを戴冠。中国人初のK-1 WORLD チャンピオンが誕生した。
これがトーナメントの過酷さ、そして残酷さそんな言葉を凝縮したような争いだった。組み合わせから厳しい戦いになることが予想されたものの、一回戦で大本命の卜部功也がゴンナパー・ウィラサクレックに判定負け。2ラウンド、ゴンナパーの左ハイで卜部がダウンを奪われたのが結果を分けた。その卜部を倒したゴンナパーも、平本との準決勝で2ダウンを奪われまさかのKO負け。
一回戦でブリース・デルバールを拮抗した試合での後半3Rでの積極性で判定戦をモノにした、K-1甲子園出身の「新生K-1申し子」こと平本が決勝に進んだ。
一方、中国のキック大会「GLORY OF HEROES」で日本人選手を含む、外国人を次々と倒し国際的にも注目度が高かった、ウェイ・ルイは、一回戦で佐々木大蔵にKO勝ち、準決勝で接近戦を好むハードパンチャーのクリスチャン・スペトゥクのパンチをことごとくかわし、しなやかなフットワークで圧倒し決勝に進んだ。
大本命を欠いたサプライズともいえる決勝戦は、平本とウェイ・ルイの対戦に。実績からみるとウェイ・ルイが圧倒的に優位と思われたが、このトーナメントで勝ち上がる度に強くなっていった平本が、1R、2Rと試合巧者のウェイ・ルイ相手に互角の勝負を展開。強烈なローキックを軸に相手を追い込む場面では、このトーナメントでポーカーフェイスを貫いていたウェイ・ルイが苦痛に顔をしかめる場面も。しかし、最終3R、パンチで打開しやや疲れが見えたウェイ・ルイが、平本に手数で勝り接戦を制した。
どちらが上がってきても不思議ではなかった卜部とゴンナパーに試合前はフォーカスされがちだったが、誰もが驚いた平本連の躍進と、中国人ファイターのユン・チーが「自分より10倍強い」と称したウェイ・ルイが真価を発揮。スペトゥク、デルパールといった欧州勢も含め-62.5kgの新設ライト級はスタートにも関わらずトーナメントが終わってみると群雄割拠の状態に。中国に持ち去られたK-1タイトルを奪い返す、日本勢の打倒ウェイ・ルイも始まったばかりだ。
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