現地時間3月3日に開催された『ベラトール174』のメインイベントで、同団体初の女子王者が誕生した。

新設された女子フェザー級タイトルをかけて闘ったのは、マルース・クーネンとジュリア・バッド。クーネンは女子MMAのパイオニアの1人で、日本でもたびたび試合を行なってきた。35歳のクーネンに対し、バッドも33歳。ただしムエタイから転向してきたためにMMAデビューは遅く、キャリアはまだ11戦だ。

MMAデビュー後すぐの時期にはロンダ・ラウジー、アマンダ・ヌネスに敗れているものの、その後は連勝しており、勢いという面ではクーネンをバッドが上回る。ましてロンダ、ヌネスはのちにUFCのチャンピオンになっているのだ。

試合は、両者にとっての“現実”がはっきり出る展開になった。1ラウンドからバッドがテイクダウンに成功し、グラウンドで上のポジションをキープ。クーネンは下からの仕掛けを狙うのだが、当然、バッドもディフェンスを心得ている。

現代MMAにおけるグラウンドでは、まず上になることが基本。選手のテクニックが向上しているだけに、下からの関節技で一発逆転、という展開はなかなか見られるものではない。下になっていると判定で不利なだけでなく、パンチを浴びてジワジワと体力を削られることにもなる。

後半になると、優劣は完全に明らかだった。4ラウンド開始直後、バッドはいとも簡単にテイクダウン。そこから強烈なパンチ、ヒジ打ちを連打していく。試合後に「絶対にフィニッシュしたかった」と語ったとおり、気迫のこもったラッシュだ。

この猛攻に、クーネンは文字通り防戦一方。ガードを固めるだけに。長時間メッタ打ち状態は、AbemaTVでの中継で解説を務めた大沢ケンジ氏も「レフェリー、もう止めてもいいんじゃないですか」と指摘するほど。

ラウンド中盤で、ようやくレフェリーが試合をストップ。バッドが圧勝でチャンピオンとなった。MMAキャリア初期に手痛い敗北を喫したものの、そこからの快進撃はお見事。UFCには女子フェザー級がないだけに、このベラトール女子王座の価値は高い。

敗れたクーネンは、試合後に現役引退を表明した。年齢や今回の完敗ぶりを考えると、仕方ないところだろう。UFC、RIZINと女子MMAが盛り上がりを見せる中、新たにベラトールのチャンピオンが決まった。その試合で敗者になったのが、女子MMAの先駆者であるクーネンというのも何かの因縁だろうか。

逆に勝ったバッドは、これから女子戦線をさらに盛り上げ、フェザー級をアピールする役目を担うことになる。ロンダやRENAのように、やはり新たなジャンル、カテゴリーはスター選手が牽引する部分もあるだけに、バッドにかかる期待は大きい。

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