3月10日、都内・FiNCプライベートジム有楽町店にて、DDTさいたまスーパーアリーナ大会(3月20日)でタッグを結成するKUDOと大山峻護がマスコミに練習を公開した。
(3.20DDTさいたまSA大会でタッグを組むKUDOと大山)
大山といえば、PRIDEなどでかつての格闘技ブームを支えた選手。総合格闘家としてはすでに引退しているが、DDTの“大社長”高木三四郎との出会いから、今回のプロレス挑戦が決まった。
もともとプロレスが好きで、リスペクトしているがゆえに安易に「プロレス転向」、「プロレスデビュー」という言葉を使うことを嫌ったとも言われている。
タッグ結成が決まってからはプロレスの練習をともにしてきたKUDOと大山。KUDOによれば、大山は「すぐにでもデビューできる状態」にまで成長しているそうだ。またプロレスならではの連携、合体攻撃に関しても「そういう攻撃は必要になってくる」と語っている。
(ミット打ちやスパーリングなど格闘技色の濃い練習も)
またKUDOは名門・藤原ジムからプロのキックボクサーとしてデビューしたことがあるだけに、大山とは格闘タッグという面も。この公開練習でも、元ボクシング世界王者・木村悠氏が持つミットへのミット打ちを両者が披露。さらにKUDOと大山が立ち技のスパーリングも行なうなど、プロレスの枠にとどまらないトレーニングとなった。
この公開練習で、とりわけ力が入っていたのが体幹トレーニングだ。手足で自分の体を支える簡単な内容に見えて、2人の体からは短時間で汗が吹き出しており、そのハードさがうかがい知れた。特に「こういう練習は普段あまりやらない」というKUDOは四苦八苦。
(体幹トレーニングに思わず苦悶の表情を浮かべる)
このジムは大山が普段からコンディショニングで使っており、今回はその内容をKUDOが体験するという形。いわゆる“プロレス”の公開練習であればKUDOが大山にプロレス技を指導するところだが、そうしなかったのにも大山のこだわりがあった。
3.20さいたまでKUDO・大山組が対戦するのは、高山善廣とディック東郷のベテランタッグ。さまざまな団体で頂点に君臨してきた高山と、達人的なテクニックで知られる東郷のコンビは、プロレス初挑戦の大山にはかなり厄介な相手だ。今からプロレスのテクニックで勝負しても勝てない。だからこそ「コンディショニングで上回りたい」と大山。またKUDOは「(大山の)格闘家としての経験も活きるはず」と言う。
「ミルコ、シウバ、グレイシーとやってきましたから」と語った大山。総合ファイターとして新人時代からトップ選手にぶつかってきただけに、修羅場の経験は豊富。長期欠場から這い上がってきたこともある。
プロレス初挑戦のテーマを「格闘技とプロレスをいかに融合させるか」だと大山。それが実現した時に、ベテランタッグ相手にも勝機が生まれてくるだろう。
文・橋本宗洋