女子プロレス団体アイスリボンの松本都といえば、業界では●●●●(英語にするとクレイジー)のニックネームを欲しいままにする超個性派である。
(謎の信者(?)を従えていた松本都教祖。宗教戦争は継続されることに)
日大芸術学部出身、アイドル、ライター業など幅広く活動しながら、リング上ではメチャクチャな闘いを展開してきた松本都が、ここにきてまた新展開を見せた。後輩に敗れたショックから心の拠り所を宗教に求めて出家を宣言。自身が「新興宗教 崖のふち教」の教祖となって3月17日にアイスリボン道場で旗揚げ集会を開催した。これを機に、松本都は入場曲を筋肉少女帯の『僕の宗教へようこそ』に変更、大槻ケンヂからの公認も得たという。なお、芸能界での出家騒動についてはまったく知らなかったとのこと。
ちなみに「崖のふち」とは、松本都がかつて代表を務めた団体「崖のふちプロレス」に由来していると思われる(所属は代表本人のみ)。観客は「信者」、チケット代金は「お布施」と呼ばれるこの集会は、鎌田紘子と美月リカのバンド「宗教法人マラヤ」との“宗教戦争”に。
この集会、信者はアンケート用紙とともに「本日何が起こっても訴えません。本日のことを他言しません」との誓約書を提出させられており、ネットに出回る情報が極端に少ないという現代プロレスでは異例の事態にもなった。
全1試合、第1試合がメインイベントとなる松本都vs宗教法人マラヤ。試合は「遺恨清算 完全決着 約45分アイアンマンマッチ」としてスタートしたが、マラヤの2人が闘うわけではなく、マラヤマンなる丸山敦に声がよく似た謎のマスクマンが登場。
開始からしばらくは通常の試合が続いたものの、崖のふちプロレスでも「謎かけ対決」、「魔界村1面クリアしたら勝ち」など多種多様なバトルを挑んできた松本都だけに、今回もルールがたびたび変更に。
本物の弁護士でもある竜剛馬、本物の僧侶でもある阿部史典といったレスラーとも闘いつつ、マラヤとはスーパーファミコンソフト「美少女戦士セーラームーンR」での対戦、指相撲対決、尻相撲対決でポイントを奪い合う。さらにアイスリボンの宮城もちvs久々の登場となるランジェリー武藤によるグラビアポーズ対決では、もはや松本都もマラヤもリング上にいない状態に。
(鎌田のパロスペシャルであえなくギブアップ、宗教戦争に敗れた松本都)
崖のふちプロレスから知るファンは歓喜、初めて見るマラヤ信者はア然とする中、闘いは40分30秒、鎌田のパロスペシャルに松本都がギブアップして終了。マラヤのライブも行なわれ、集会は強引な大団円に。
と思いきや、最後にサプライズが起きた。場内のビジョンで、3月26日のアイスリボン後楽園ホール大会に「新興宗教オレ教」の教祖として大槻ケンヂが降臨することがサプライズ発表。これにより葛西純&松本都vsジャガー横田&藤田あかねのタッグマッチが新興宗教崖のふちvs新興宗教オレ教の宗教戦争として行なわれることになった。
崖のふち教のバックにいると信じきっていたオーケンの裏切り(?)に、松本都は愕然。集会後のコメント(マスコミへの法話)でも「見損ないました」と怒りをあらわにした松本都。しかしマラヤに対しても「超かわいかった! 大好き!」と語っており、信心よりもファン心理優先の部分もある模様。
憧れのオーケンを前に、松本都は3.26後楽園で教祖としてどう立ち向かうのか、そして試合決定に伴い、教祖から「崖のふち教に入信したとみなされます」とコメントされた“デスマッチのカリスマ”葛西純は本当にそれでいいのか。宗教戦争はさらに拡大していくことになりそうだ。
文・橋本宗洋