やはり実力は本物だった。AbemaTV将棋チャンネル特別対局企画「藤井聡太四段 炎の七番勝負~New Generation Story~」の第3局が3月26日に放送され、昨秋に14歳2カ月で史上最年少プロ棋士となった藤井聡太四段(14)が、斎藤慎太郎六段(23)を91手で下し、対戦成績を2勝1敗とした。
14歳らしからぬ緩急自在の指し手を見せた。3戦連続の先手番となった藤井四段に対し、後手の斎藤六段がゴキゲン中飛車を選択。2戦目と同様の戦局で進むと、序盤からお互い積極的に仕掛けた。その後も攻め合いが続くと思われたが、ここで藤井四段が受けにまわり対応。解説の鈴木大介八段(42)も「攻め将棋という触れ込みだったが、進化しているのかもしれない」と評価した。
勝因を聞かれた藤井四段は「途中は自信のない展開でしたが最後、駒得になった」と淡々と振り返った。だが、敗れた斎藤六段は「作戦を練って挑んではみたんですが、中終盤の見切りで、僕の方が劣ってしまった」と素直に敗北を認めた。「やはり読みは深い。慌てないというのがすごく大きい。どの手にも動じず、一番いい手で返された」。中学生と侮ることも一切なかっただけに、敗戦の悔しさが表情に色濃く出た。
これで七番勝負の対戦成績は2勝1敗と1つ勝ち越し。次回の4月2日放送分では若手最後の対戦者として、タイトル挑戦2回の実績がある中村太地六段(28)と戦う。ベテラン棋士との対決を前に、さらに白星を積み重ねるのか。中学生棋士の可能性の大きさは、まだ先が見えない。
※斎藤六段の段位は収録当時。現在は七段。また、鈴木八段も現在は九段。
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