きのう午前9時20分ごろ、栃木県那須町の那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生、先週土曜日から2泊3日の日程で行われていた登山講習会に参加していた県内7校の高校生徒と教員が巻き込まれた。参加していたのは生徒51人、教員11人の合計62人で、8人が死亡、40人が重軽傷を負ったことが発表されている。(【動画】スキー場雪崩事故で県教育委が緊急会見)
荒れる天候の中、自衛隊・消防の救助活動は難航。那須地区消防本部の担当者は「やはり現場に近づけなかったというのが一番大きなこと。当然の雪崩ですので、二次災害の恐れもある。不用意には近づけない」と話した。
雪崩の原因の一つとして考えられるのが積雪量の急増だ。周辺には大雪・雪崩・着雪注意報が出ており、那須町は3月下旬以降としては観測史上2番目となる34cmの積雪を記録していた。そこで「表層雪崩」が起こった可能性が高いとされている。古い雪が溶け、氷(ざらめ状)になり、その上に新しい雪が積もり、滑りやすい状態になったと推測されている。表層雪崩は時速100~200kmの速さで滑り落ちてくる場合もあるという。
防災科学技術研究所の小杉健二氏は「報道されていることをまとめると、短時間にかなりまとまった雪が降ったことが原因ではないか」と推測。「標高差がかなりあるので、平野に近いところではかなり春めいてきているが、標高1000メートルを超えるところではまだ真冬に近い状況だったと思う。一般論として、標高差の違いによって、想像できないようなひどい状況になることもあり得る」と話した。
また、「雪崩には全層雪崩と表層雪崩の2種類がある。全層雪崩の場合は斜面にクラック(ひっかき傷のような雪の裂け目)が入るなどの前兆がみられる場合もある。一方で表層雪崩は前兆がほとんどなく、急に起こるので危険性が高い」と説明した。
那須温泉ファミリースキー場は20日に今シーズンの営業を終了していた。小杉氏は「現地調査をまだ行っていないため、詳細は不明としながらも、「そうした時期でも訓練をするのであれば、スキー場内での安全性も営業期間中と同じように確かめる必要がある」と話した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)