■Appleの基準に"合わせざるを得なかった"Twitter
28日、Twitter JapanがiPhone向けアプリの使用について年齢制限を「4歳以上」から「17歳以上」に引き上げたことを明らかにした。今回の措置は世界共通のもので、若いユーザを有害情報から守ることを目的としているという。
SNSに関係する児童買春や児童ポルノなどの性犯罪被害者(18歳未満)は、2015年には1652人に上っており、2008年の調査開始以降、最多となっている。サービス別に見てみると、Twitterが最多で226人、ぎゃるる203人、Talk165人という結果になっている。(警察庁まとめ)
これまでもLINEの"18歳未満のID検索禁止"、Facebook・Instagramの"13歳未満は使用禁止"、などがあるが、ITジャーナリストの三上洋氏によると「比較的英語圏のIT企業が出すものは子供を危険から守ろうという発想がない。とりあえずみんなで使おうというところから始まるので、緩い」のだという。
今回の年齢制限は「ペアレンタルコントロール」と呼ばれる機能で、保護者が子供のiPhoneにアクセス権限をかけている端末に限る。つまり、機能制限のある端末で17歳未満のユーザが25日以降にアプリをアップデートした場合、利用することができなくなるということだ。
三上氏は「12歳以下の人に対しては、保護者が責任を持ちなさいよ、というスタンスだが、元々Twitterには基本的には年齢制限はない。アップル側の基準にTwitter側が合わせざるを得なくなったという事情がある」と説明する。「iOSには対象年齢の段階を、4歳以上・9歳以上・12歳以上・17歳以上と4段階指定することができる。そこにTwitterの"13歳以上"というのが合わなかったため、17歳以上に合わせざるを得なかった」というのだ。
Twitter Japanは「iOS版のアップデートでご不便をおかけした皆さま、お詫び申し上げます。ペアレンタルコントロールについてはご両親にご相談ください」とコメント、17歳未満の利用者に対し、保護者と相談するよう呼びかけている。
■10代女性は「iPhoneでTwitter」がマジョリティー
10代女性のiPhone利用率は67%(エイチームライフスタイル調べ)となっていて、3人に2人がiPhoneユーザである計算だ。春から娘が高校生になるという三上氏は「iPhone利用者でなければ人にあらず的な感じがある」話す。
ネット上には「対象年齢確認あるのいいね。子供多いのを不思議に思ってたよ。これで、バカッターとかほぼ消えるね」と、Twitterの対応を評価する意見も見られた。しかし、該当するユーザたちからは悲痛な声や怒りの声が上がっている。
「15歳の私はツイッターをアップデートしたら消えました。死んでください」
「Twitterの17歳以下のやつに引っかかってアプリ消えた~!!!!!検索の方から今やっと入れてるけどめちゃめちゃつらい」
「Twitterアップデートしたらアプリ消えたし。。インスタがあってよかった!!インスタなかったら、Twitter見れんかったし、インスタありがとうございます」
また、AppStoreのレビュー欄では、17歳未満のユーザたちの不満が爆発している。
「17歳未満は使っちゃだめなんですか?アプリ消えましたけど?そーゆーのやめてほしいです」
「今更17歳以上はずるいでしょ。」
「星1つもつけたくない 17+にされると使えない クズすぎる はやく4+に直して」
iPhoneアプリの中でも、若者世代にとってはLINEと並ぶコミュニケーションツールであるTwitter。三上氏が「ゲームの仲間とか、直接知り合いじゃないインターネット上の仲間とはTwitterで連絡を取り合うことも多いと思う」と話すように、中には「友達と連絡取れなくて辛い」という声もあった。
株式会社コロプラの調査によると、10代のTwitterアカウント保有率は男性73.1% 女性79.7%に上るという。様々なSNSがあする中、Twitterが人気の理由はどこにあるのか。
三上氏は「LINEよりもやわらかい、緩い繋がりがある。ちょっと仲間と悪口を書きたい、今日ちょっと思ったことをすらっと書きたいという場合にはLINEで送るよりもTwitterの方がいい。フォローしあう身内だけで、コミュニケーションとしては軽い」と説明する。
今回の措置ではアカウントそのものは削除されず、他社製のTwitterアプリや、ウェブサイトなどからはアクセスが可能となっていることから、リスクが完全に無くなったわけではない。
Twitterは複数のアカウントを作ることもできるため、顔を出さない"別人格"の裏垢=裏アカウントを持つ10代も多く、男性で60.7%、女性で77.7%にも上っているという。また、複数人で運営する"共同アカウント"というのもあり、「カップルでパスワードを共有して写真をあげたり、それで連絡を取り合ったりするアカウントもある」(三上氏)
一方、三上氏は「危ない人がTwitterにいるということは高校生の方が知っていたりする」と指摘。「子ども同士で、TwitterやLINE、また新しいSNSをどう使うのかというリテラシー教育を校外学習的にワークショップでやろうという動きも広まっていて、かなり成果が出ているようだ」として、教育現場での対策の重要性を強調した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)