(島田晴香インスタグラムより)

テレビ朝日系で放送中のドラマ『豆腐プロレス』で、島田晴香が演じるヒール(悪役)レスラー役がハマリ役だと評判になっている。

たくましい体格から一部のファンの間では以前から女子プロレスラー扱いをされていた島田は、顔面ペイントを施してジャイアントスイングを得意技とするユンボ島田を演じ、松村香織が演じるクイウチ松村と「工事現場同盟」を結成。ハリウッドJURINA(松井珠理奈)と道頓堀白間(白間美瑠)の「パワーストーンズ」と対立を深めている。

島田と松村のリングネームや顔面ペイントなどは、ダンプ松本率いる「極悪同盟」へのオマージュであるのは明らかだ。女子プロレス界では、いつの時代も正統派の「ベビーフェイス軍」対「極悪ヒール軍」の図式が定番であり、悪役レスラーがいるからこそ花形スターが輝くのだ。

1975年9月にデビューした池下ユミは悪役レスラーとして売り出され、阿蘇しのぶとのタッグ「ブラック・ペア」として同期である「ビューティ・ペア」(ジャッキー佐藤・マキ上田)のライバルとして抗争を展開し、WWWA世界タッグ王座にも君臨。阿蘇退団後は「ブラック軍団」を結成し、漆原幸恵(後のルーシー加山)、マミ熊野とパートナーを変えてブラック・ペアを継続させた。

1981年の池下引退後、ブラック軍団を改称した「ブラック・デビル(デビル軍団)」を結成したデビル雅美は、メンバーの山崎五紀、松本香、マスクド・ユウらを率いて、ジャガー横田やミミ萩原らベビーフェイスと抗争を繰り広げ、大型ヒールとして女子プロレス界で暴れまわった。

1984年、植田信治コミッショナーの凶器使用禁止令を期にデビル軍団を解散し、ベビーフェイスに転向したデビル雅美と山崎五紀に謀反する形で独立した松本とユウはダンプ松本、クレーン・ユウにそれぞれ改名し、「極悪同盟」が結成された。

同時期に人気絶頂だった「クラッシュギャルズ」と極悪同盟との抗争は、一斗缶やヌンチャクでの殴打など容赦ない凶器攻撃による派手な流血や、極悪レフェリー阿部四郎の不公正なジャッジ、そして独特のパンク・ファッションによって、女子プロレスが社会現象になるほどの注目を浴びた。男性プロレスマニアにも新たな客層を広げることに貢献した一方で、熱狂的なクラッシュファンから生卵やカップ麺を投げつけられることが多かったため、外出は集団行動が多かったという。

1988年のダンプの引退後はブル中野が軍団を受け継ぎ、「獄門党」と改名。獄門党はヒール軍団だったが、ただ単に凶器を振り回すだけではなく確かな実力に裏打ちされた選手が集まった集団。ベビーフェイス対ヒールを超越したスタイルで新時代を切り開こうとしたブル中野の想いがあり、ヒール同士でも観衆を満足させる試合ができるという自信が垣間見られた。

1990年、黎明期のメンバーだったアジャ・コングとバイソン木村が獄門党を離脱し「ジャングル・ジャック」を結成。ブルとアジャの壮絶な抗争が巻き起こり、金網頂上からブルのギロチンドロップを食らったアジャがKO負けを喫した一戦は、今でも語り草になっている。

その後も、北斗晶、三田英津子、下田美馬の「ラス・カチョーラス・オリエンタレス」や、OZアカデミーの尾崎魔弓を中心とする「正危軍」など、時代は変わっても女子プロレス界には必ずヒールユニットが存在している。これからも極悪非道なヒール軍団はスター選手を痛めつけて観客を熱狂させていくことだろう。

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