安倍内閣が内閣は「最大のチャレンジ」として掲げた「働き方改革」。政府がまとめた"実行計画"に対し、強い危機感を示す論者たちが28日、「働き方改革に物申す院内集会」を開催、"1億総安心労働社会の実現"を訴えた。
出席したのは常見陽平氏(千葉商科大学専任講師)のほか、おおたとしまさ氏(育児・教育ジャーナリスト)、赤木智弘氏(フリーライター)、中川淳一郎氏(ウェブ編集者)。
集会終了後、常見氏は取材に対し、政府の「働き方改革実現会議」の議論の内容について「未来の働き方を考える場だと捉えていたが、結局は昭和の時代の働き方の話に終始していた。労働時間をどうするかも大事な問題ではあるが、今後10年先、20年先の日本の働き方を作っていくという議論には全くならなかった」と批判。
また、「もっともっと労働者は怒って、自己主張した方がいい。"こう働きたいんだ"とか、人間の負荷をいかに減らすかとか綺麗ごと抜きで、自分たちの働き方の問題をもっともっと発信するべきだと思う」と指摘。労働者に対しても「いかに一生懸命働かないか、仕事の絶対量を見直す、という発想が必要。AIなどを含め、機械との役割分担が重要になってくる。サービスレベルを積極的に見直して、無駄な努力になっていないか検証を」と訴えた。
今回の実行計画をめぐっては、電通の元社員で、過労自殺した高橋まつりさんの母親の幸美さんも、懸念を示している。
同じく大手広告代理店・博報堂の出身でもある中川淳一郎氏は「昨年来、広告業界の残業時間の長さというのが問題視されている。サービス業に位置付けられているので、お客様のためになんとか100点に近いものを出そうと頑張りすぎちゃって、残業時間が1日12時間になるなど、無茶苦茶なことになってしまう」と話す。
その上で「もちろん命に関わる仕事の場合は100点でなくてはいけないのですが、サービス業だったら78点とかでも別に誰も死なないからいいんじゃないかと思う。店員さんとか、広告作る人とか、99点とか100点の広告を作ったとしても、果たしてそれが売り上げの2倍になるための起爆材になるかというと、それはよくわからない。誰にも証明できない話なので、100点じゃなければ許さないという姿勢を発注主が持たないということと、受注側も80点とか78点取れれば、お客様に出せるレベルかなというくらいの低い意識を持ってもいいと思う」と指摘した。
(Abema One Minute Newsより)