UFCライト級王者、コナー・マクレガーと、元ボクシング世界王者、フロイド・メイウェザーの対戦が、ラスベガスのスポーツイベントを統括するネバダ州アスレチック・コミッションの承認を得る可能性が高くなり「世紀のビリオンドル・ファイト」が実現に向け、一歩踏み出したようだ。
コナー・マクレガーが運営するメディア「The Mac Life」が、ネバダ州アスレチック・コミッションのディレクター、ボブ・ベネット氏がこの2人の対戦のリクエストを承認し、2017年の後半に開催されることを伝えた。
UFCとマクレガー側が対戦要求に対し今年に入りメイウェザー側も応じる姿勢をみせ当事者同士の歩み寄りにより、実現性が高くなっていた試合に関して、一つ乗り越えなければならない壁が、ラスベガスで開催する際のアスレチック・コミッションの承認許可だった。ボクシングマッチになることを想定し、一度もボクシングの試合を行っていないマクレガーに州が許可を出すかは一つの懸念材料とされていた。その問題を解消するためにマクレガー側も、カリフォルニア州でボクシングライセンスの取得するなど外堀を埋める姿勢を見せ、今回特例として認められる見込みとなったのだ。
実はプロボクシング経験のない選手がボクサーと対戦するというケースは過去に承認されたこともある。1957年8月に世界ヘビー級王者、フロイド・パターソンに、アマチュア王者、ピート・ラデマッハーが挑戦したケースだ。この試合はラデマッハーのプロデビュー戦にして世界タイトル挑戦という異例のカードとして歴史に刻まれているが、経験者とはいえ非ボクサーの選手が戦うケースは前代未聞。ただし前述のベネット氏もマクレガーの卓越したセンスや、若い頃から積み重ねてきたキックボクシング経験などを考慮したと伝えられている。
ネバダ州側が今回この2人の対戦に興味を示したのは、マクレガーがカリフォルニア州でボクシングライセンスを取得したことを受けて誘致に声を挙げざろう得ない状況になったのも背景にあるようだ。過去11年間フロイド・メイウェザーのカードを全て統括してきたネバダ州は、試合開催により莫大な税収入を得ており誘致合戦になる前に、マクレガーのネバダ州でのボクシングライセンスを追加発行し開催にしたい意図も感じさせる。
また開催が決まったとしても、厳しいドーピング検査への同意や、試合開催に向けての契約体重などの取り決めなど、両者が歩み寄る要素はまだまだ山積みであり、特に体重に関しては147ポンドから150ポンド(約66.7から68キロ)のメイウェザーに対して、マクレガーが何キロで契約を結ぶかなども話題になりそうだ。
メイウェザーの49連勝0敗に土をつける50戦目が実現するとすれば、過去数え切れないビッグマッチを開催して来たラスベガスの歴史の中でも最大規模のものになると予想される。「マクレガー対メイウェザー」、興行全体の売上なも含めると最も高額な試合になることが予想されるだけに、今後の開催までのプロセスもかなりの盛り上がりが期待される。