2Pacの死に関与していると言われる・Death Row Records(デス・ロウ・レコード)のシュグ・ナイトが、ついに獄中で事件の真相について語り始めた。
……のだが、これが妙にきな臭い。シュグいわく「本当の標的は2Pacではなく自分自身」で、「ドライブバイ(車中からの狙撃)を企てて殺害したのはシュグの前妻シャリーサと、当時デス・ロウのセキュリティチーフだったレジー・ホワイト・Jr.だ」と主張しているというのだ。
当然ながら、この証言はこれまでの噂を真っ向から否定する内容である。20年も経ってからの唐突な“真相”の告白に、周囲はかなり当惑気味だという。
実際シュグの息子、ジェイコブは父親の告発そのものを「でっち上げのフェイク」だと斬り捨てている。彼は「父は2Pacを殺していない。なぜなら“一番に守るべきブラザー”だと思っていたから」と信じているものの、今回の告発もまた「騒動を起こして金をせしめようとしている輩たち」によるデマでしかないと主張。これまで散々「お前の父親が2pacを殺した」と言われ続けた上に、またありもしない嘘を広められたりするのは耐えられない……ということなのだろう。
当然、いきなり殺人事件の槍玉に挙げられた前妻シャリーサも「一体何のために?“デス・ロウの金が欲しかったから”なんて説も本当に馬鹿げてる。2Pacが死んでからレーベルはどうなった? ゼロよ! 全く何にも残らなかったわ。一気に下降線をたどっただけじゃない!」と猛反発。
「シュグとの間の長女と20年間も耐え続けてきたのよ。あの子は高校生のころ散々“お前の親父が2Pacを殺した”って言われ続けて、今でもSNSに実の父親の写真すらアップできないの。それなのに今度は私が殺しただなんて、メディアがまたクソみたいな情報を垂れ流し始めたわけでしょ? 本当に勘弁してほしいわよ」
……とのことで、このニュースが駆け巡ってからというもの、自宅にはひっきりなしに電話がかかってきているそうだ。
さて、いまさら感がスゴい今回の“告発”だが、きっかけは2Pacの死にまつわる新たなドキュメンタリー映画『Tupac Assassination: Battle for Compton』だった、という説がある。このドキュメンタリーで描かれている犯人などに関する仮説が“あまりにもマジっぽかった”ため、内容を聞かされたシュグが「これを撮ったのは一体どういう連中なんだ(=なぜこんなに本当のことを知っているのか)」「内容は本当だ」と主張し始めたのが、騒動の発端だというのだ。
つまり、この騒動自体が「金目当ての連中によるニセの情報」だというのが息子ジェイコブの考えなのである。
本当に前妻シャリーサと元セキュリティが2Pacを殺したのか? もしくはシュグがドキュメンタリーの内容に“乗っかった”だけのウソなのか? 真実はまだまだ闇の中だが、2Pacの伝記映画『All Eyez On Me』が彼の誕生日である6月17日に公開されるので、ひとまずはそっちを楽しみに待ちつつ事の顛末を見守りたい。
All Eyez on Me Trailer #1 (2017) | Movieclips Trailers