11日に開局1周年を迎えたAbemaTV。AbemaTIMESでは、ウーマンラッシュアワー・村本大輔さんに、1年間MCを務めてきた感想、また、熊本地震の被災地取材を行った感想などを聞いた。
村本さんは、開局以来AbemaNewsチャンネル『AbemaPrie』、AbemaSPECIALチャンネル『ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT』『恋のポイント村本くん』の3番組でMCを担当している。
■いい意味でのドキドキ感があると思う
ーーニュース番組のMCということで、何か立ち位置を意識しているんですか?
村本:世の中の人って、基本的に他人のことにはあんまり興味ないと思うんですよ。僕も政治の話とか、そういうのはテレビでやっててもただ受け流してきたし。だから、そういう僕が見てると思って語りかけたいなと。だから視聴者を代表するとか、そういうことは思っていない。僕は僕の代弁者として、納得できるまで専門家に聞いてます。
ーー『AbemaPrime』の、堀潤さんとのコーナー「居酒屋むらじゅん」では、タブーにも切り込んだり、番組で取り上げた「見た目問題」の当事者の方をすぐに『THE NIGHT』にお招きしたり、自由度が高いですよね。
村本:やっぱり生放送にする意味がある番組と、意味がない番組があると思うんですよ。『恋のポイント村本くん』『THE NIGHT』『AbemaPrime』、どれも機械的にやらないで人間的にやろうと思っているので、そういうところも含めて、いい意味でのドキドキ感があると思います。
テレビではあんまりやらなくて、ラジオでは伝わりにくくて、でもニコ生ともちょっと違う、ちょうど良い"カジュアルフレンチ"のようなものを提供出来ている気がします。スタッフさんに「もっとあのテーマやってほしい」とか相談して、実際に広げていってもらったりもできてる。
ーー例えば『AbemaPrime』では、強制国外退去処分を受けたタイ人高校生ウティナン君の問題を定期的に取り上げていましたし、そういうずっと追いかけていったりできるのも良さかなと思います。
村本:そうですね。あのテーマでも、僕はMCとして自分の"頭の悪さ"を曝け出して、なんでウティナン君がこういうことになっているのか、わかるまでずっと聞いた。
どうしてもマニュアル化というか、流れてきた食材をいつもの方法で調理して、みんなも"コメンテーターのポーズ"で仕事しているような番組が多い中で、そもそも、そう調理するのは本当に正しいの?ってベルトコンベアを止めて、しつこく話すことができるのは良さかもしれない。
5分って決まってるところなんだけど、納得行かなかいから15分くらい喋ったりするリアル感がある。アドリブ的に番組が動く事が多から、いままでのニュース番組に慣れてるひとからするとちょっと刺激的かもしれないけど。
■取材に行ってみて覚えた違和感
ーー1年前の熊本地震発生の頃は、スタジオで中継されてましたけど、今回は実際に被災地に足を運んで取材されましたね。どうでしたか?
村本:取材に行ってちょっと違和感があったのは、メディアは崩れた瓦礫の映像ばかりを撮っていこうとすること。おんなじような映像は1年前からずっと見てるのに、テレビを見ていてもそこばっかり使われますよね。
でも、地元の人に話を聞いていると、子どもが生まれたり、新しい道ができたり、ちょっとずつ復興してきているんですよね。そういう話もポジティブに出してほしいと言われたんですよ。よし!今から元気に復興させようっていう時に、毎回その映像を見ることでちょっと空気が止まっちゃう、ということもあると思う。
やっぱりメディアは見せ方が下手だなというか。塩辛い物もあってもいいけど、砂糖で甘い物もいっぱいやればいい。当時の映像とか、キツい話ばっかりやなくて、前向いて動いているところがあっちこっちにあるんだから、もうちょっとそういうのも見せたほうがいいんじゃないかなって。そういうことを感じましたね。
ーー東京のスタジオにいるだけではわからなかったなあ、ということもありましたか?
村本:そうですね。ただテレビ見てるだけだと、伝わらないだろうなっていうのがいっぱいあって。昔、堀潤さんが「どうしても福島で野菜を作って売りたいっていう気持ちを持った人たちが居るんですよ」っていう話をしてたんですが、正直なところ、いまいちわからなかったんですよ。
今回、益城町で、復興計画の道路拡張のために立ち退きを迫られているプリン屋の方の話を聞いたんですけど、まさにその場所で「ここにおじいちゃんが住んでた」って言われて、すごくわかるなって。
あと、つい真面目な、怖い顔して行ってしまったんです。でも、みんな明るくて、普通に笑ってる。「見た目問題」の当事者の方たちのときも、僕はそうだったんです。「なんで番組に出てくれたんですか?決意した理由は?」って。そしたら、「いや、有名人に会えるからですよ」って。そういうふうに、素顔が見せられるようにしたいですよね。
ーー今後もどんどん取材に行きたいですか?
村本:興味あるものやったら行きたいですね。興味ないものは顔にちゃうんで(笑)
■村本大輔として、わかったふりしない
ーーAbemaTV1周年ですけど、今後大事にしていきたいことはなんですか?
村本:深く掘り下げてみないとわかんないことっていっぱいあるし、AbemaTVはネットだからそれができる媒体だし、番組も作っていけると思う。ほんまに、「被災地域チャンネル」みたいなの作ってずっとやるくらいなこともできると思う。
僕自身は小さい声に耳を傾けられるような人でありたいし、「もうちょっとその情報を手に乗るために背伸びしてみようかな」っていうか、「もうこれでええやん」っていう空気の流れを止めてでも、「本当にそうかな?もうちょっと聞いてみよう」っていうスタンスで居たいですね。
テレビって"みんなのもの"っていうイメージがある。だからみんなが喜ぶマスコットみたいになっちゃう部分もあるんですけど、そのキャラを脱いで、人間として喋れる場所かなって。村本大輔として、わかったふりしないというのはやりたいですね。アホと思われても、納得して帰りたい。ぐっすり眠れるために(笑)
■恋のポイント村本くん~村本と付き合いたい女SP!!~(AbemaSPECIALチャンネル)
■ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT #39(AbemaSPECIALチャンネル)
■AbemaPrime(AbemaNewsチャンネル)