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 働き方改革が叫ばれる中、注目を集めている宅配業。深刻化する長時間労働、ドライバー不足は業界に暗い影を落としている。その主な原因は、Amazonをはじめとする、ネット通販の躍進だ。これにより売上は飛躍的に伸びたものの、荷物の取扱量は大幅に増加、再配達や時間指定の問題が重くのしかかっており、最大手のヤマト運輸は時間指定を見直し、再配達の受付時間を短くする事を決めた。

 そんな中、ドライバー不足対策の一環として、3月12日に改正道路交通法が施行された。今までの「中型免許」と「普通免許」に加え、「準中型免許」という分類ができたのだ。この「準中型免許」では7.5t未満のトラックが運転でき、18歳でも取得ができる。

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 果たして現場の労働環境は改善されてきているのだろうか。ドライバー達に聞いてみた。

 午前8時の住宅街。「ヤマト運輸の残業代の事を聞きたい」と尋ねると、「ちょっと無理です」との返事。さらにもう2、3人に声をかけたが、「こちらではお答えできない」などと、ことごとく断られてしまった。

 夜、仕事帰りのドライバーに突撃取材を試みると、「話したいんですが、止められているので話せません」「会社の一員として話せない」といいった回答ばかりだった。

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 しかし粘り強い取材結果の、ヤマト運輸の現役・元社員など、内情に詳しい人々との接触に成功。覆面インタビューを実施することができた。

 勤続13年で辞めたという35歳の元社員は「ずっとヤマトでやって行こうと思っていた。続けたかったけど、体力的にも精神的にも限界がきた」。16年勤めたという元社員は「続けるつもりが、限界をこえた。ブラック過ぎて」と振り返り、「朝と夜のサービス残業を1、2年貯めておくと、700時間から800時間」「退職金は16年務めて38万位。給料1ヶ月分よりちょっと多いくらい。悲しい」と訴えた。

 Amazonの問題については、「Amazonの取扱が始まってから退職率が急増した」「配達・集荷・電話対応・クレーム・サービス・物販営業を全部一人一日で運転しながらやるから、危ない。電話もひっきりなしにずーっと鳴っている状態。休憩なしで15時間。走りっぱなし、忙しい時は空腹さえ感じない」と、苦しい実態を明かした。また、「20~30%が再配達。配達を完了しないと歩合がつかない。同じ家に2回行ってるのに、1回分しか歩合がつかない。再配達を頼んだのに自宅に居ない場合、これはホントのタダ働き。特にピーク時は手に負えない。有料化して、お客さんの意識が変わらないと無理」と言い切る。

 さらに、「指定の時間に行っても"遅い"とクレーム」「ドアを叩くな。呼び鈴を押すな。クレーム対応で電話を切らせてくれない」といった客からのクレームも明かした。

 また、元社員からは、サービス残業代未払いなどの不満が続出。現在、ヤマト運輸は過去2年分に限って支給を始めており、現役社員は「半年前から少し改善に向かっている」と話していた。(AbemaTV/「勝手に出口調査」より)

次回「勝手に出口調査」は16日(日)22:00~

勝手に出口調査 | AbemaTV
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